NPBの「2軍拡大構想」参入のハードルは? 名乗り上げる静岡と熊本の異なるアプローチ

ファーム・リーグに新規参入を目指す熊本の「火の国サラマンダーズ」【写真:球団提供】
ファーム・リーグに新規参入を目指す熊本の「火の国サラマンダーズ」【写真:球団提供】

元鷹・馬原孝浩監督が率いる火の国サラマンダーズも参入へ意欲

 新規参入へ強い意向を示しているもう1つのチームは、独立の九州アジアリーグを戦う「火の国サラマンダーズ」。松中信彦氏(元ソフトバンク)や村上宗隆内野手(ヤクルト)といった3冠王を生んだ場所でもある熊本に本拠地を置き、侍ジャパンも経験した馬原孝浩監督(元オリックス)がチームを指揮する。他にもコーチや選手にNPB経験者が所属。昨季は独立リーグ日本一を達成している。

 球団経営では黒字化に成功し、子どもたちを招いたイベントなど地域貢献活動も積極的に行っている。プロ野球の2軍球団拡大について、神田康範社長兼GMは「チャンスがあるならば挑戦したい」と明言。すでにソフトバンクの4軍とも、ホークスのファーム施設の筑後でも定期的に対戦している。広島や福岡へスムーズに移動できるのは、ウエスタン・リーグにとっても好都合といえる。

 今年は元ヤクルトの長距離打者、中山翔太外野手や元広島の150キロ超え右腕の山口翔投手など、NPB戦士を加えて戦力を強化。NPB入りを目指すパワーのある外国人選手も補強した。地元の子どもたちに、本塁打や投手の速い球を見せたいという願いから補強をしており、着実に地元に根付き始めている球団だ。

 今後も2球団の枠を目指し、独立リーグの各チームが参入をどんどん表明してくる見込みだ。4月17日には、参入希望者に対しNPBの説明会が行われる予定。球団や企業の運営実績や地域性、本拠地球場の施設、室内練習場の所有など、持続できる“体力”があるかどうかの見極めにもなってくる。参加料や財務面など参加要件は今後、協議されていく。地域の野球振興を図ることを目的に発展を目指していく中、どのチームが“参戦”が決まるのか、これから注目が集まっていくだろう。

(Full-Count編集部)

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