「鬼の顔」のバウアーが見せた“本領” 激しい喜怒哀楽の裏に…緻密すぎる投球術

イースタン・リーグの西武戦に先発したDeNAのトレバー・バウアー【写真:荒川祐史】
イースタン・リーグの西武戦に先発したDeNAのトレバー・バウアー【写真:荒川祐史】

2年ぶりの実戦登板も4回4安打無失点…無四死球で制球力実証

 やはり過去の助っ人とはレベルが違うようだ。DeNAの新外国人トレバー・バウアー投手は16日、横須賀スタジアムで行われた2軍のイースタン・リーグ西武戦に先発し“日本デビュー”を果たした。実戦登板は2021年6月以来2年ぶりだったが、最速156キロを計測し、4回4安打6奪三振無失点に抑え、ブランクを感じさせなかった。バウアーは2020年にナ・リーグのサイ・ヤング賞に輝いており、同賞受賞者がNPBでプレーするのは61年ぶり2人目だ。

 まずは、この日も無四死球の制球力に裏打ちされた、緻密な投球術が凄い。バッテリーを組んだ益子京右捕手は「投球術は今永(昇太投手)さんと張ると思います」とエースになぞらえた。53球を投げてフォーシーム、ツーシーム、カーブ、スライダー、カットボール、新球のスプリットチェンジと全ての持ち球を駆使。特に18球投げたカットボールは、6球が空振り、2球が見送りのストライクとなり、バウアーは「左打者に有効だとわかったので、今後頭に入れて組み立てていきたい」とうなずいた。

 圧巻は3回だった。1死一、三塁で2番の蛭間拓哉外野手を迎え、2球目には一塁走者に二盗を許し、ニ、三塁とピンチが広がった。ここでグイッとギアを上げる。蛭間をこの日最速の156キロのストレートで空振り三振に仕留めると、続く3番・高木渉外野手にも152キロ、154キロ、152キロを連発し空振り三振。蛭間、高木に対して計6球を投じ、全て空振りで2者連続3球三振、全球が左打者の内角高めへのストレートだった。

 益子は「試合前に『真っ直ぐの時は、ベルトと膝の間にミットを構えてくれ。そこを狙って投げると、ベルトと胸の間に一番強いボールが行くから』と言われていた。実際に、その通りに来ました。今日はストレートは全て高めで、ファウルと空振りを奪うことに使いました」と解説した。

益子捕手「喜怒哀楽を激しくしていた方が、本人は気持ちが入るようです」

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