プロ2勝目、オリの20歳新星の“強み” 3球種だけでも…打者苦しめる球速差と精度

オリックス・山下舜平大【写真:小林靖】
オリックス・山下舜平大【写真:小林靖】

山下舜平大は西武戦に先発して7回無失点8Kでプロ2勝目を挙げた

 オリックスの山下舜平大投手が、23日に京セラドームで行われた西武戦でプロ2勝目を挙げた。7回3安打無失点8奪三振と好投した高卒3年目は、3月31日にプロ初登板ながら開幕投手の大役を務めた。近年では、則本昂大投手(2013年・楽天)や北山亘基投手(2022年・日本ハム)が新人ながら大役を務めたが、2年目以降の投手がプロ初登板で開幕投手を務めたのは、2リーグ制導入後では史上初だった。

 山下が大抜擢を受けた背景には、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の影響で、山本由伸投手と宮城大弥投手の合流が遅れたことがある。しかし、もちろんそれ相応の確固たる理由も存在している。今回はこれまでの球歴に加えて、投球スタイルや持ち球、具体的な長所など、より詳しく掘り下げていきたい。

 山下は福岡大大濠高から2020年ドラフト1位でプロ入り。プロ1年目の2021年は1軍での登板はなく、2軍では先発の一角として18試合で2勝9敗、防御率5.48。プロの洗礼を味わったが、貴重な経験を積んだ。2022年も2軍で研鑽を積むシーズンとなったが、身体の成長とトレーニングの関係で登板数は8試合に減少。しかし防御率3.31、奪三振率10.70と投球内容は大きく改善を見せた。クライマックスシリーズと日本シリーズでは登録メンバーに入り、秘密兵器として大舞台でのベンチ入りも経験した。

 そして迎えた2023年、オープン戦ではセ・リーグチーム相手に4試合に登板して防御率2.35、奪三振率13.50を記録。自身初の開幕ローテーション入りを果たしただけでなく、1軍未登板ながら開幕投手に抜擢された。3月31日、重圧に臆することなく、5回1/3を投げて7奪三振、失点はわずかに1と快投を披露。プロ初勝利とはならなかったものの、開幕投手を務めるに足るポテンシャルの持ち主であることを全国の野球ファンに示してみせた。

球界の常識変える…武器の快速球はほとんどが153?155キロ前後

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