捕手は「試合に勝たないと評価されない」 DeNA進撃の裏にある“根性”を生む正体

伊藤「(先発投手の)担当制みたいで、こういうことは珍しい」

 7回にはいったん同点に追いつかれ、その裏、またもや先頭の伊藤が左前打で出塁。途中出場の柴田竜拓内野手の勝ち越し三塁打につなげた。8回にヤクルトの代打・川端慎吾内野手に同点適時打を浴びたが、最後は延長10回、関根大気外野手の適時二塁打で勝ち切った。チームは4連勝、横浜スタジアムでは9連勝で勢いは増すばかりだ。

 それにしても、3人併用となっている今季のDeNA捕手陣は凄い。首脳陣は先発投手との組み合わせで使い分けているが、打っても山本は今季打率.400、戸柱も.333。伊藤は.240だが、25日のヤクルト戦でも試合の流れをつかむセンターオーバーの2点二塁打を放つなど、勝負強さが際立っている。

 伊藤は「(先発投手の)担当制みたいな感じで、こういうことは珍しいですね。打つ方でも結果を出さなければいけませんが、捕手は試合に勝たないと評価されないと思っているので、任された試合は絶対に勝ちたい」と強調する

 かつて1970年代から80年代にかけて近鉄バファローズに、ダイヤモンドグラブ賞(現ゴールデングラブ賞)2度の有田修三捕手と同4度の梨田昌崇(現・昌孝)捕手が並び立った時代があり、双方打力もあって“あり・なしコンビ”と呼ばれた。今年のDeNAの3捕手はまだシーズン序盤とはいえ、それをほうふつとさせるレベルの高さだ。

 スタメンマスクは、伊藤と戸柱が7試合ずつ、山本は6試合で、ほぼ3等分。このまま異例の併用を続けながら切磋琢磨し、力を合わせてチームを25年ぶりの優勝へ導くことになるのだろうか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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