大谷翔平は「従来型と違う」 野球経験2年…“異色コーチ”の「研究材料」となるワケ

ヌートバーの打撃は「体のバランスを保てているのがすばらしい部分」

 データと向き合いながら、それらを“簡にして要を得た”言葉で選手に落とし込んでいく。野球への情熱に突き動かされたメジャーコーチ1年目の日々はとても充実している様子。その彼に、ヌートバーの打撃分析を求めた。詳説は避けたいとしながらも、端的にした。

「右足を高く上げて軸足に体重を乗せる始動を取りますが、体のバランスを保てているのがすばらしい部分だと思います。逆に、悪いときはこれが諸刃の剣にもなります。一連の動作のリズムが微妙に乱れてボールを本来のポイントで捉えることができなくなることが僕の目に映ります」

“論理的多弁”を避ける彼の信条が言葉から伝わってきた。

 欲張って、大谷翔平の打撃について問うと、イメージを描き足すようにまとめた。

「地面をちょっと叩くようにして右のつま先でタイミングを取りタメを作り、そこから前(投手側)に大きく出ていく。そしてバットが下から出てきます。皆さんがすぐに浮かべる従来型のスイングとは違っていると思います。でも、僕にとってオオタニのあのスイングは研究材料となります」

 10歳だったデンマーク人の少年は父と鑑賞した野球映画から、体のうちを衝き上げてきた得体の知れぬ感動を覚え、メジャーリーグのコーチになった。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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