3連覇狙うヤクルトに漂う「不気味な強さ」 OB坂口智隆氏が見る明確な「上がり目」

ヤクルト・高津臣吾監督(左)【写真:荒川祐史】
ヤクルト・高津臣吾監督(左)【写真:荒川祐史】

終盤までもつれる展開も8回に決勝点を献上、開幕以来のカード3連勝を逃す

■阪神 2ー1 ヤクルト(11日・甲子園)

 ヤクルトは11日に行われた阪神戦(甲子園)に1-2で敗れ、勝率5割復帰を逃した。リーグ3連覇を狙うチームは現在4位。3冠王・村上の不振、1番・塩見の出遅れなどが響き、本来の力をまだ発揮できていない。昨年限りで現役を引退した野球解説者の坂口智隆氏が“古巣”の現状を分析した。

 終盤までもつれる展開だったが“わずかな差”で敗者となった。同点の8回にマウンドに上がった清水が1死二、三塁のピンチを背負うと、代打・糸原を遊ゴロに打ち取ったが、長岡の本塁送球が間に合わず勝ち越し点を献上。試合はそのまま終わり接戦をものにすることはできなかった。

 同点の7回には無死一塁から長岡がバント失敗、決勝点を許した8回の守備では三塁手の村上のグラブに打球が当たり二塁打になるなど紙一重の場面も。坂口氏は「(決勝点につながった)長岡選手の本塁送球に関しても目いっぱいのプレー。そこは責められない。ヤクルトの今の戦い方はロースコアかハイスコアのどちらか。敗れはしましたが、逆にこういった試合ができているので今の位置(4位)にいる」と分析する。

 ヤクルトのチーム打率.224はリーグワースト、防御率3.47もリーグ5位と数字だけをみれば最下位にいてもおかしくはない。「もちろん、試合を重ねれば大差のゲームもあるが、現状、そこまで大崩れしている印象はない。首脳陣、選手は歯がゆいと思うが土俵際での粘りはある。見ている方からすると、不気味な強さは感じる」。ここまで17敗(15勝)を喫しているが、4点差以上で敗れたのは5試合のみ。開幕から好調だった投手陣が疲れる時期に入っているだけに、野手の奮起がカギを握るという。

塩見の復帰は「打線はこれからなじんでくる」

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