オリの“朗希級”20歳にOB評論家があえて注文 「どんどん投げたほうがいい」第3の武器

オリックス・山下舜平大【写真:小林靖】
オリックス・山下舜平大【写真:小林靖】

1試合19奪三振の日本記録持つ野田浩司氏…山下舜平大を「日本代表間違いない」

■オリックス 3ー3 ソフトバンク(14日・京セラドーム)

 オリックスの3年目、20歳の右腕・山下舜平大投手が14日のソフトバンク戦(京セラドーム)に先発し、6回途中3失点で降板した。試合は延長12回3-3の引き分けに終わったが、山下への高評価は変わることはない。阪神とオリックスで活躍し、日本記録の1試合19奪三振も達成した野球評論家の野田浩司氏は「これにフォークが結構な精度で決まりだしたら、日本代表は間違いないレベル」と言い切った。

 94球、被安打6、3失点。山下にとっては悔しい登板だったに違いない。味方打線が4回に小田の1号2ランで先制したが、5回、周東に内角高めの154キロストレートを右翼スタンドに運ばれた。6回には近藤、柳田、栗原、柳町に4連打を浴びて、逆転を許した。1軍公式戦で本塁打を許したのは初めてだったし、得点圏でヒットを許したのも初めて。5試合目の登板でそれを初めて経験すること自体が、並の投手ではない証しであり、野田氏も「試練とかでも何でもない。いい勉強、いい経験をしたんじゃないですか」と話した。

 確かにこの日は絶好調ではなかった。コントロールにもいつもよりばらつきがあった。それでも、それなりの投球をできており、野田氏は「真っ直ぐの威力で差し込めるし、ファウルをとれるし、フライも上げられるしね。この真っ直ぐの角度と勢い、それとカーブもまただいぶでかいですからね。1回ちょっと浮くような感じでね。とにかく超ハイレベルな能力を持っていますよね」と称賛する。

 その上で、さらにフォークの精度が上がった時のことが楽しみでしかたないという。「真っ直ぐ、カーブ、フォークの3つのうち、どれかとなれば。真っ直ぐもより効くし、真っ直ぐかフォークが頭にあっての、あのカーブはだいぶスピード差がつくし、落差も大きいんで、もっともっと投球の幅が広がると思いますからね」。

 この日の山下は初対戦のソフトバンク打線に対して、真っ直ぐ、カーブ中心で攻め、フォークはわずか6球しか投げなかった。これに野田氏は「今日のフォークは全部、低めに来てませんでしたね。ボール球かファウルだった。まだフォークに自信がないのかもしれないし、キャッチャーやコーチ陣とも話し合って、敢えてそうしているのかもしれませんけど」と前置きしながら「もっと、実戦でフォークをどんどん投げたほうがいいと僕は思います」とも指摘した。

低めに来ていなかったフォークを磨けば「かなりヤバいピッチャーに」

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