米国で感じた大谷翔平への注目度 名将は“懐疑論”一蹴し大絶賛…現地記者からあらゆる質問

エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】
エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】

ガーディアンズのフランコーナ監督「感心を通り越している」

 エンゼルスの大谷翔平投手は15日(日本時間16日)、敵地オリオールズ戦で今季5勝目を目指し先発登板する。記者が5日(同6日)の本拠地レンジャーズ戦からチームを取材し、10日が過ぎた。ナイター翌日のデーゲームや時差がある東西の移動……。メジャーリーグの過密日程を肌身で感じているが、もう一つ感じたことがある。それが現地の「大谷翔平への注目度」だ。

 本拠地でレンジャーズ、アストロズ、そしてクリーブランドに移動してのガーディアンズ戦で、3人の敵将の囲み取材に入ることができた。ブルース・ボウチー監督、ダスティ・ベイカー監督、テリー・フランコーナ監督。いずれもワールドシリーズを制覇し、監督通算1800勝以上を誇る名将たちだ。

 エンゼルスの取材現場には日本人記者が多くいる。そのため、相手監督へ大谷に関する質問が飛ぶことも多いが、決して日本人記者だけではなかった。8日(同9日)のアストロズとの今季初対戦では、ベイカー監督に米記者から「大谷の熱狂ぶりと“フェルナンド・マニア”を比較してどうか」と質問が飛んだ。

 1980年にドジャースでデビューし通算173勝、ファンを熱狂させた偉大なメキシコ人左腕フェルナンド・バレンズエラを取り巻く環境と比べてほしいというのだ。1980年代前半にドジャースでプレーしたベイカー監督は「オオタニは唯一無二だ。私の妻がいると(大谷の)写真を撮り始めるから、今日はいなくてホッとしている」と、もはや鉄板ともなっている愛妻のエピソードを語ってくれた。

 ガーディアンズ戦でのフランコーナ監督への質問も米記者が発端だった。「オオタニの活躍を過小評価しているわけではありませんが、ベーブ・ルースと関係する記録がでてくるたびにどう思いますか?」。今度は少し“大谷の評価”に対する懐疑的な質問だった。

 しかし、フランコーナ監督は「『世代の』という形容詞が彼に対して使われているけど、実際にそうだから大げさな表現だとは思わない。ピッチングはバカげている。彼にできないことはない。感心させられる。いや、感心を通り越している」と大絶賛。そして「彼が打席に立っているときは気分が悪い」と本音も漏らした。

 3月に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の取材時も、球場のまわりを歩いていると「オオタニ! オオタニ!」と声を掛けられた。また、昨年9月にU-18W杯を取材した際には、ディスカウントストアのゲームコーナーに大谷のパネルが何枚も置いてあることもあった。現地に行くたびに、改めて大谷への注目度を感じる出来事がある。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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