元オリ投手が現地で感じた日米の違い 審判で異なるピッチクロックの“さじ加減”

試合時間短縮の裏で…投手の目から見たいくつかの問題点

 ただ、ピッチクロックについて気になった点も書いていきたい。

 まずはピンチの場面での、投手の気持ちの切り替えにくさである。ピッチクロックがあることで、気持ちを落ち着かせる時間をなかなか取れないないように見える。よって流れを切ることができず、大量失点につながりやすいのではないだろうか。

 見に行った試合でも1イニングに簡単に3、4点入るなど、大量得点を許す確率が去年に比べて上がっているのではないかと思った。データをまだ見られていないので、また調べてみたい。

 そしてもうひとつは、ピッチクロックを守れたか、守れていないかという細かい判断が、主審の“さじ加減”1つになることだ。

 ピッチャーが投球までに許された時間を超える事はあまりないが、バッターが残り8秒にまでに打撃態勢を取らなくてはいけないところが少し“あやふや”になる。

 試合を見ていても2、3回、時間を超えたと判断され、ストライクがコールされていた。審判によって少し甘かったり、厳しかったりという違いも出やすそうだ。

 大事なチャンスの場面で打席に入るのが遅く、何もしていないのに1ストライクになり、簡単に三振を喫してしまった場面も実際にあったので、難しいところだ。

 今回は特に気になった点を3つ挙げたが、他にも野手の極端なシフト守備の禁止、各ベースのサイズの拡大、ピッチコムの使用、ワンポイントリリーフの禁止、延長に入った際にはランナー2塁から始まるなど日本と異なるルールのところがあるのでまた試合をみて気になる点があったら紹介していきたい。

(「パ・リーグ インサイト」鈴木優)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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