まさかの低迷も「時に身を任せる」 ダルビッシュがサラリと明かす“強靭メンタル”

口癖は「できるだけ長いイニングを投げる」

 昨季30試合の登板で25試合にクオリティ・スタート(QS=6回以上、自責点3以下)を果たしているが、20試合以上に先発した投手124人中、QS率80%以上はダルビッシュを含めわずか3人。「できるだけ長いイニングを投げる」と言い続けた右腕だが、今季8試合目の登板で発した先の言葉からは深い息遣いが伝わってきた。

 ダルビッシュは変則的な調整法にも言及した。

 ウエートトレーニングで筋力をアップさせるために適切に設ける、体への負荷を軽減する“ディロード”を2回続けたことが投球に影響を及ぼした。「体にグッと力が入る感じが出てこない。抜くタイミングがちょっと早かったかなという感じがします」と、今後は強度と負荷を高めていく。

 ファイターズ時代と今春に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表チームで投手コーチを務め、ダルビッシュが敬愛する吉井理人氏(ロッテ監督)は、技術以外で大切な2つのことを挙げている。1つは感情。そしてもう1つはコンディショニングだ。

 日米通算190勝、メジャー通算97勝を挙げるダルビッシュは、厳しいチーム状況をどう捉えているのかを問われると、こう返した。

「レンジャーズ、日ハムの時からもそうですけど、良くないときは何をしても良くないのっていうのが絶対ある。それはどんだけ強いチームであっても。時に身を任せるしかないというか、そういうところはあると思います」

 淡々と話す右腕の顔は最後まで曇ることはなかった。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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