大谷翔平と組んだ6日後…記者が遭遇した“降格の瞬間” 荷物運ぶ姿に感じた厳しさ

エンゼルスのクリス・オーキー【写真:Getty Images】
エンゼルスのクリス・オーキー【写真:Getty Images】

大谷翔平とバッテリーを組むもわずか6日でマイナー降格となったオーキー

 メジャーリーグの激しい生存競争を感じさせる瞬間だった。オリオールズの本拠地“カムデンヤーズ”の正面入り口前の階段。記者はひとり座ってスマートフォンをいじる男に会った。エンゼルスのクリス・オーキー捕手だった。大谷翔平投手とバッテリーを組んだわずか6日後、向かった先は傘下3Aのソルトレイクだった。

 大谷の所属するエンゼルスはクリーブランド、ボルティモアと続いた遠征を終え、19日(日本時間20日)から再び本拠地でツインズと対戦する。冒頭の話は15日(同16日)、オリオールズ戦の試合前の出来事だった。練習が始まる前の午後1時半、正面入口に着くと、階段に座るオーキーの姿があった。ジーンズにシャツという私服姿で、一瞬誰かわからなかったが、そばに置いてあった大きなボストンバックに記されていたエンゼルスのマークと「39」で、記者は全てを察した。

 オーキーは3月末にマイナー契約でエンゼルスに加入した。3Aでも打率は1割台と苦しんだが、チームは昨季、大谷とバッテリーを組んだスタッシー、今季開幕から組んだ若手有望株のオハッピーと捕手が相次いで離脱。さらにその後、昇格したウォラックも首の張りで負傷者リスト(IL)入りし、オーキーに白羽の矢が立った。9日(同10日)の本拠地・アストロズ戦で今季初のメジャー昇格を果たすと、その日のロッカールームで大谷とのバッテリーを知らされたという。その試合で大谷は7回3失点と力投を見せたが、今季初黒星を喫していた。

 その後、チームはクリーブランドに移動。その間、フィル・ネビン監督はウォラックが大谷の登板予定日である15日(同16日)に戻ることを示唆していた。そのため、記者もオーキーの再降格は薄々予測していた。そして、この日現実に。わずか6日でマイナー行きとなった。

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