ヤクルト石川雅規が盟友に伝えた「野球辞める」 1度だけの決心と「本気の顔」

ヤクルト・石川雅規【写真:荒川祐史】
ヤクルト・石川雅規【写真:荒川祐史】

同級生の志田宗大スコアラーは青学大からともにヤクルトへ

 ヤクルトの石川雅規投手は、10日の阪神戦で今季初勝利を挙げた。プロ1年目から22年連続白星は、NPBタイ記録。2002年4月4日広島戦の初登板初勝利から地道に勝ちを積み重ねて184勝目、今年は球界最年長となった。先輩に可愛がられ、後輩から慕われ、首脳陣から信頼される、身長167センチの“小さな大投手”。しかしたった1度、盟友にだけ「野球辞める」と明かした過去があった。

 現在、巨人でスコアラーを務める志田宗大氏は、石川の青学大の同級生にあたる。石川は2001年ドラフト自由枠、志田氏は同8巡目でともにヤクルトへ。志田氏は2010年限りで現役を引退後もスコアラーとして、2018年に巨人に移籍するまで同じチームに在籍し続けた。

 そんな志田氏が懐かしそうに振り返る。それは青学大1年の4月だった。2月1日に入寮して、2か月が過ぎていた。寮での洗濯は1年生の仕事。夜中の12時頃、洗濯を干しながら、ふと石川に「志田、俺明日いないから。野球辞めるから」と言われた。

「止められなかったんですよね。自分もつらかったけど、俺も辞めるとも言えなかった。秋田から出てきて初めての寮生活でホームシックもあったでしょうし、練習も厳しくてついていけない。通用するわけないと思ったり、青学のキャンパスライフも含めて様々なギャップがありました。あの日、石川が本気の顔で洗濯を干す姿は忘れられないですね」

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