山本由伸を超える剛球、“宝刀”の被打率は驚異の「.000」 オリ20歳が示す衝撃の数字

オリックス・山下舜平大【写真:小林靖】
オリックス・山下舜平大【写真:小林靖】

山下舜平大の直球の平均球速は154.3キロ…先輩の山本由伸を超える

 2020年のドラフト1位で、福岡大大濠高からオリックスに入団した山下舜平大投手が衝撃の投球を見せている。2年目までは2軍で経験を積み、3年目の今季は1軍未登板ながら開幕投手を任され、6回途中まで1失点と堂々たる投球を披露した。今回は20歳の投球スタイルについて、ここまでの1軍登板から探る。(数字は5月16日終了時点)

 球種別の投球割合を見ると、6割をストレートが占めている(60.7%)。変化球はカーブ(28.8%)とフォーク(10.5%)の2球種のみ。7回無失点だった4月23日の西武戦では、全102球のうちストレートとカーブだけで98球を占めた。プロ入り後に習得したフォークは割合こそ少ないものの、ヒットを許していない。

 ストレートの平均球速は154.3キロに達し、パ・リーグでストレートを100球以上投じた先発投手ではロッテの佐々木朗希投手(159.4キロ)に次ぐ2番目だ。同僚の山本由伸投手(152.7キロ)や、西武の平良海馬投手(151.5キロ)らリーグを代表する剛腕を上回る。

 ストレートの使い方に注目すると、半分以上を高めのゾーンに投じている。高めの球は空振り率が16.8%と、リーグ平均の9.6%を大きく上回る。球威を存分に生かし、打者をねじ伏せている。

 カーブとフォークもすでに一級品だ。2ストライクに追い込むまでは投球の6割以上が直球だが、追い込んだ後は逆に変化球が半分以上を占めている。カーブ、フォークともに落差が大きいため空振りを狙いやすく、特にフォークは、2ストライクからの空振り率29.7%を記録。決め球として効果的なボールになっている。

 2ストライクに追い込んだ後の被打率は.111と、リーグ内でも上位の数値を記録している。開幕投手を務めた後は登板間隔を空けつつ、ここまで5試合に登板して3勝0敗、防御率1.21と圧倒的なピッチングを続けている。今後も先発陣の中心としての活躍が期待される。

(「パ・リーグ インサイト」データスタジアム編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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