誰にも明かさなかった大手術… 一度は投げだした“甲子園の星”西武・岸潤一郎、再生の道

西武・岸潤一郎(写真は2021年)【写真:荒川祐史】
西武・岸潤一郎(写真は2021年)【写真:荒川祐史】

西武・岸は明徳義塾で甲子園を沸かせるも大学中退、独立Lからプロ入りした

 西武・岸潤一郎外野手は高知・明徳義塾高で甲子園に4度出場し、投打二刀流で沸かせた。進学した拓大では怪我で1度野球を断念したが、再びプロを目指し、独立リーグの四国アイランドリーグplus「徳島インディゴソックス」から2019年ドラフト8位で西武に入団した。昨年は股関節の怪我に苦しんだが、今シーズンにかける思いを語った。

 ルーキーイヤーは1軍で5試合に出場したが、投手の球威に押され、直球を打ち返すことができなかった。2年目の2021年は6月にプロ初安打となる本塁打を放つなど、100試合に出場。自信をつけたが、打率.220と課題も残った。

「多少はパワーがついて、フィジカルが強くなったかなと思います。その点で『勝負できなくはないかな』と思いました」。だが、慣れない連戦にコンディションの維持が難しかった。「移動がきつかったです。移動日に体のケアや練習をしなければいけない。そんな中で、レギュラーの方たちは好不調の波を作らない。すごいなと思いました」。

 飛躍を目指した昨年は6月に出場選手登録を抹消。その後1軍に上がることはなかった。股関節の痛みもあり打撃不振に陥ったが、体の不調を自ら言い出すことができなかったという。

「今までの経験から、自分は怪我をして何もすることができないと、どんどんやる気がなくなってしまうので、ぎりぎりまでやろうと思っていました」。だが、ランニングメニューで痛みのため足が上がらず、低いハードルを越えられずにすべて倒してしまった。それを見た西口文也2軍監督が“異変”に気づいた。「もうあかんな。さすがに無理かな」と思いました。

大学時代に「誰にも相談せず」経験したトミー・ジョン手術

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