吉川尚輝の好守に奪われた安打…DeNA桑原が一塁ベースを“踏めなかった”真相

映像に残る一塁通過…ヘッドスライディングを途中でやめた理由は「危なかった」

■巨人 1ー0 DeNA（24日・東京ドーム）

　DeNAの桑原将志外野手は24日、敵地・東京ドームで行われた巨人戦の4回2死、安打性の打球を巨人・吉川尚輝内野手の好守備に阻まれた。一塁を駆け抜けようとした時、ベースを踏まずに通過してしまう珍事が起きたが、試合後にその真相を明かした。

　執念と執念が火花を散らした。桑原は巨人先発・戸郷からセンター方向へ痛烈なゴロを放った。ところが巨人の二塁手・吉川がこれを逆シングルでダイビングキャッチ。間髪入れずに一塁へ好送球し、桑原を刺した。ヒット性の当たりを捕られたことについては「もちろん、めちゃくちゃ悔しいですが、僕がどうこうできる問題ではない。仕方がないです」と感情を隠そうとはしなかった。

　映像を見ると、桑原は駆け抜けた際、一塁ベースを踏んでいない。いや、踏むことができず、通過したように見える。ヘッドスライディングにいこうとするも、その前に送球が来たため、急にやめる判断をした。足がもつれて一塁ベースを飛び越え、踏まずに駆け抜ける形になったという。「（ヘッドスラディングを）やめて、足が少し危なかったですが、大丈夫です」と苦笑。吉川の守備は想像よりボールの転送が速く、瞬時の判断でリスクを回避した。

「逆のこともありますから。あそこを捕られたら、吉川君にナイスプレーと言うしかないでしょう」と胸の内を明かす。「逆に、僕の気持ちを高ぶらせてくれた。その繰り返しだと思います」と闘志を燃やす。この日チームは結局、巨人の戸郷翔征投手に5安打完封され0-1で敗れた。桑原も3打数無安打だったが、今季は打率.319（24日現在）と打撃好調。次はプレーで“リベンジ”してみせる。

（宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki）