なぜ「タカガール・デー」から名称変更? 鷹の「ピンクフルデー」に込められた意義

ソフトバンク・中村晃【写真:球団提供】
ソフトバンク・中村晃【写真:球団提供】

「ピンク」にこだわった理由

「ピンクフルデー」という名称はファンからの公募によって決まった。球団内で名称を検討する中で、ファンからもアイデアを募ることになり、実に1545件もの名称案が寄せられた。様々な案がある中で、数多く寄せられたのが、新名称になった「ピンクフルデー」だった。

 テーマカラーの「ピンク」にこだわったのには理由がある。イベントのきっかけとなった「女子高生デー」の発足時に、当時アンバサダーを務めた女子高生たちが提案してくれたのがピンクでイベントの“中心”だった。

 そして、もう1つ。今ではイベントの重要な社会的意義となっている「ピンクリボン運動」の取り組みがある。かつて2軍監督やコーチを務めた鳥越裕介氏が妻を乳がんで亡くしたことから、球団に掛け合い、乳がんの撲滅と検診による早期発見を啓蒙するこの運動に取り組むようになった。

 選手が「ピンクリボンユニホーム」を着用して試合に臨み、審判のユニホームやベース、ネクストバッターズサークルなどもピンクリボンの装飾が施される。1人でも多くの人にピンクリボン運動を知ってもらうために活動を続け、現在は鳥越氏から中村晃外野手に活動が引き継がれている。

「ピンクリボン運動」の活動の大切さ、そして「イベントが変わるわけではなく、より誰でも楽しめるイベントにしようという球団の思い」から、テーマカラーのピンクを変えることなく、名称を変更してイベントは生まれ変わった。「非日常の体験を提供する、というコンセプトは変わっていません」。社会的意義も大きい「ピンクフルデー」は盛況のまま幕を閉じた。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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