藤浪晋太郎は「抑えもあり得る」 もう借金32も…米記者「可能性を監督は模索している」

MLB公式のマーティン・ガレゴス記者【写真:木崎英夫】
MLB公式のマーティン・ガレゴス記者【写真:木崎英夫】

ガレゴス記者が見る藤浪「四球から突然崩れ出す傾向は変わってません」

 駒不足の上に補強もなされず荒野に置き去りのような状況の中で選手たちは苦闘している。勝率.192のメジャー最弱チームではあるが、コッツェイ監督は若手に経験を積ませ日々の成長こそを戦いの糧にして、迷夢になずんでいるわけではない。

 コッツェイ監督は前日24日(同25日)、先発投手が試合序盤で崩れるケースが目立つことからその打開策として「オープナー」と呼ばれる、統計上いちばん失点率が高い初回に、短いイニングを全力投球する役回りの中継ぎ投手をぶつけ、上位打線を凌ぎきる1回~2回までを目処にする継投戦術を取った。中継ぎのプルイットを先発に起用し、2回から当初の先発予定だったウォルディチャックをマウンドに送った同監督は、今後に藤浪のオープナー起用も選択肢にあると明言しているが、遠征地・シアトルにただ一人同行するMLB公式のマーティン・ガレゴス記者はこんな視角を提供した。

 藤浪がイニングをまたぐと大崩れしていることから、今後の投球によっては「抑えの機会もあり得る」と話し、十全に展開した。

「フジは先発で4試合投げていますが、四球から突然崩れ出す場面が何度もありました。その傾向は中継ぎに回っても変わってません。今カード初戦では2イニングを投げ、1イニング目はフジの可能性を見出せる完璧な3者凡退でしたよね。他のチームのようにここには“定石”がないのです。若く経験の浅い投手陣から引き出せる可能性を監督は今、模索している最中です」

 歴史的な負け越しペースで厳しい論調にさらされているアスレチックスだが、決して意味のない戦いを日々繰り返しているのではない。現場で、その諸相が見えた。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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