専門家が“懺悔”「これほど強いとは…」 首位ロッテを支える指揮官の危機管理術

ロッテ・吉井理人監督【写真:荒川祐史】
ロッテ・吉井理人監督【写真:荒川祐史】

野球評論家の野口寿浩氏、ロッテ首位は「予想していなかった」

 パ・リーグはロッテが首位を走り、2年連続リーグ覇者のオリックスが1.5ゲーム差の2位につける展開で、30日からセ・パ交流戦に突入する。現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏が両チームに着目し、ロッテ・吉井理人監督、オリックス・中嶋聡監督の采配から、今後の展開を予想する。(数字は29日現在)

「正直に言います。ロッテがこれほど強いとは、開幕前には予想していませんでした」。野口氏はこう脱帽する。実際、下馬評は低い方で、就任1年目の吉井監督が侍ジャパンの投手コーチとして、春季キャンプの中盤から開幕直前までチームを離れるハンデもあった。

 野口氏は「吉井監督は選手のやりくりが非常にうまい。特にリリーフ陣は、その時の調子やデータを見ながら、最も抑える確率の高い継投をしているのだと思います」と見る。

 リーグトップのチーム防御率2.68を誇る投手陣は、小島和哉投手と西野勇士投手がともに5勝を挙げてハーラートップに並び、佐々木朗希投手も4勝。今月18日と21日には、先発を予定していた投手の登板回避で4日間に2度も“ブルペンデー”を強いられたが、18日はなんと8人、21日も6人の継投でいずれも勝利をもぎ取った。24日には、先発予定が雨で流れたCC・メルセデス投手がリリーフで登板し、3回無失点で来日初セーブを挙げた。

 リーグトップの13セーブを挙げている守護神・益田直也投手の好調は間違いないが、その他は澤村拓一投手、ルイス・ペルドモ投手、西村天裕投手、坂本光士郎投手らをフレキシブルに起用している印象だ。

 野手陣は、昨季盗塁王とゴールデン・グラブ賞に輝いた高部瑛斗外野手が故障で今季1軍未出場。主軸の4番はこれまでに6人が務めており、最多の19試合で座った山口航輝外野手は故障で4月30日に登録抹消され、28日に6番で復帰したばかりだ。チームトップでリーグ3位の打率.291をマークしている藤原恭大外野手も17日に抹消され、故障者が絶えない。チーム本塁打はリーグ最少の24本。それでも、リーグ最多の46犠打が象徴する小技も利かし、同3位の153得点を挙げている。今後のシーズン佳境で、吉井監督はどんな手腕を披露するのだろうか。

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