「ここから全盛期が来る」 不本意ながら重ねた経験…淺間大基を強くした“傷跡”

「背番号8」を引き継いだ【写真:羽鳥慶太】
「背番号8」を引き継いだ【写真:羽鳥慶太】

リハビリ期間中に決めたルール「いい日ばかりじゃないので」

 今春の日本ハム2軍には、他にもリハビリに励む選手がいた。阪神から移籍してきた齋藤友貴哉投手は、キャンプの紅白戦で右膝の前十字靭帯断裂という重傷を負い、今季中の復帰は難しいと見られている。また西武から移籍の山田遥楓内野手も、2月に腰のヘルニアの手術を受けた。淺間を含めた「リハビリ組」には、ルールがあったのだという。

「日々“一喜一憂”しないでやろうと。良い時も悪い時もリハビリはあるので。(山田)遥楓がいちばん一喜一憂するので、そこは言い合ったりしていましたね」。日々の成果が見えづらいリハビリ中、選手はどんなことを考えているのか。

「もう、復帰していることを想像するしかないですね。リハビリっていい日ばかりじゃない。悪い日ばかりで、ちょっといい日は調子に乗りがちなんですけど、そこでやりすぎると次の日痛いのが“あるある”なので」

 本人が「いろいろ経験しているので。引き出しじゃないですけど」と言うほど、淺間のプロ野球人生は怪我に行く手を阻まれてきた。名門・横浜高で1年春からベンチ入りしたほどの逸材。2015年にドラフト3位で入団すると、2軍で当たり前のように安打を積み重ねていった。他球団の首脳陣や編成担当者からも、驚きの声が上がった。

 5月5日の楽天戦で早くも1軍デビュー。そこから4試合連続安打を記録した。当時記録を調べてみると、高卒1年目から1軍でプレーした清原和博(西武)も、前田智徳(広島)や松井秀喜(巨人)も、デビューからの連続試合安打は「2」どまり。あっというまに1軍に適応してみせたこの“天才”は、どんな選手になるのだろうと思わせた。46試合に出場して打率.285、クライマックスシリーズにも先発出場した。

不本意ながら積んだ経験「昔は焦りまくっていて、そうは思えなかった」

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