古巣相手に117球の熱投「涌井らしかった」 36歳の投球を西武レジェンドはどう見たか

涌井の西武との対戦成績は11勝18敗、防御率4.00

 涌井はかつて、西武のエースの座に君臨した。2004年ドラフト1位で横浜高から入団すると、2年目の2006年から5年連続2桁勝利。2008年にはリーグ優勝と日本一に貢献した。その後は2014年にロッテ、2020年に楽天、今季は中日に移籍。涌井の西武最終年の2013年は、もう10年前だ。西武の現役選手で涌井とチームメートとして戦った経験があるのは、3歳上の栗山巧外野手、現在故障で離脱中の中村剛也内野手、2013年に新人だった増田達至投手と金子侑司外野手くらいだ。

 この日「6番・指名打者」で出場した栗山は、2回2死の第1打席では、カウント0-2と追い込まれ、3球目のカーブを打たされ二ゴロ。4回2死二塁で迎えた第2打席はカウント1-1から外角低めのチェンジアップに遊ゴロに倒れた。6回2死一塁での第3打席は、外角高めの147キロの速球に差し込まれ遊ゴロだった。

 栗山は「すごく丁寧なピッチングで、気迫もあった。それをこっちが上回ることができへんかった」と悔しさをあらわにし、「粘り強く投げてきていた。辛抱強さというところで、いい時の涌井らしかった」と評した。100球を超えてから150キロを計測したスタミナについては、「いくところ(力を入れるところ)と、いかへんところがしっかりできていたんちゃうかな」と分析した。

 涌井の西武との対戦成績は11勝18敗、防御率4.00となった。栗山との対戦成績は92打数20安打、打率.217。栗山と中村はチーム最年長コンビ、涌井もベテランの領域に入ったが、若さあふれる一投一打を見る限り、来年以降も対決はまだまだ続きそうだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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