惜敗は「自分のせい」 痛恨の三盗失敗…西武渡部の“後悔”「無理する場面でなかった」

西武・渡部健人【写真:矢口亨】
西武・渡部健人【写真:矢口亨】

自ら二塁打を放ち先制機をつくるも…零敗に猛省

■ヤクルト 2ー0 西武(10日・ベルーナドーム)

 西武の渡部健人内野手は10日、本拠地ベルーナドームで行われたヤクルト戦で、まさかの三盗失敗を喫する場面があった。「4番・一塁」でスタメン出場。2回先頭でヤクルト先発の球界最年長・石川雅規投手から左翼線二塁打を放ち、先制機をつくった。1死後、売り出し中の長谷川信哉内野手の初球に、体重115キロの巨体を揺すって猛然とスタート。しかし、中村悠平捕手の送球に、ベースのだいぶ手前で滑り込もうとする左足にタッチされ刺された。

 この瞬間、思わず下を向いて無念の表情を浮かべた松井稼頭央監督は試合後、「一応、グリーンライト。こちら(首脳陣)がストップをかけられなかった。全てこちらの責任だと思います」と語った。試合は0-2で零敗を喫した。

 意外に足は速い。1軍出場なしに終わった昨年、イースタン・リーグでは10本塁打とともに、6盗塁をマークしている。今季1軍でも3日のDeNA戦で二盗を決めプロ初盗塁を記録。5日の同カードでも、2死一、三塁の場面で、チーム随一の俊足を誇る一塁走者の若林楽人外野手が二盗を決める間に、三塁から悠々ホームを駆け抜け、今季2つめの盗塁をマークした。

 しかし、三盗は100%近い自信がなければ試みるべきでないと言われる。結果的に先制機をつぶしただけに、もったいなかった。渡部自身「自分も(いま思えば)無理する場面ではなかったかなと思います」と言葉を絞り出した。石川のモーションは頭に入っていて、自信はあったと言うが、「(途中で迷いが出て)1度止まってしまった。決まっていれば、犠牲フライでもなんでも点が入る状況をつくれた」と悔やむ。「もう、本当に自分のせいです。あれがなければ1点は入っていたと思うので」と肩を落とした。

 渡部は主砲の中村剛也内野手が右外腹斜筋損傷で戦列を離れたのと入れ替わり、1軍に昇格し、スタメンで4番もしくは5番を務めてきた。その中村がこの日、イースタン・リーグの楽天戦に「4番・DH」で出場し実戦復帰(3打数無安打)を果たし、1軍復帰も秒読みとなった。渡部としては“生き残り”のために結果を残したいところだ。悔しすぎる経験を糧にしてほしい。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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