感情むき出しの大谷翔平に見えた覚悟 不調トラウト、若手台頭で感じた自らの立場
今季は若手が台頭…「僕もまだまだ若いと思っている」
昨季は、5月に泥沼14連敗を喫し、ポストシーズン争いから早々に脱落したが、今年はここまで37勝31敗で貯金「6」。ア・リーグ西地区3位だが、ワイルドカード争いでは、ボーダーラインのアストロズとは1ゲーム差まで迫っている。地区1位との4連戦、大谷も「敵地でのこの4連戦、みんな気合いが入っているんじゃないかと思います」。並々ならぬ決意をもってテキサスに乗り込んだ。
チームは大きな変革期を迎えている。救援陣では、ベン・ジョイス投手や、この日にメジャー初勝利を挙げたサム・バックマン投手、野手でもミッキー・モニアック外野手やザック・ネト内野手や若手が台頭。一方で、ここまでチームを引っ張ってきたマイク・トラウト外野手が不調に苦しんでいる。
前回登板後の会見で米記者から「ベテランの域に達してきたが、若手の活躍をどう見ているか」と質問が飛んだ。大谷は「僕もまだまだ若いと思っているので。そういう気持ちで頑張りたい」と笑って答えたが、自分が引っ張っていかなければいけない立場なのはわかっている。
3月に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。チームメートのトラウトから三振を奪い、帽子、そしてグラブを投げ捨て喜びを爆発させた姿は野球ファンの脳裏に焼き付いているだろう。エンゼルスでもその喜びを分かち合うにはポストシーズンに進出するしかない。感情の表れは、自分がこのチームを引っ張っていく――。そんな覚悟の表れのようにも見えた。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)