黒田博樹の気遣いに仰天「顔が見えないくらい…」 感謝を伝えた9年後の“お返し”
2005年のコーチ辞任時、大量の花を贈ってくれたのが黒田氏だった
実はこれ、川端氏にとっては“お返し”でもあったという。「僕が(2005年に)広島の投手コーチを辞める時、広島市民球場でのコーチ最後の試合の朝、家の玄関のピンポンが鳴って、出たら『黒田さまからお花です』と生花店の店員さんが来たんです。びっくりした。今でも覚えている。店員さんが『すみません。これ、どうしましょうか』って。だって、店員さんの顔が見えないくらいの花を贈ってくれたんですよ」。
驚くと同時にうれしかったのは言うまでもない。「店員さんに、花を玄関に入れてもらったけど、すごかった。色とりどりの花だった」。そんなこともあったので、川端氏は黒田氏の広島カムバックの際に花を贈ろうと思った。
「最初は黒田に、って思ったけど、やっぱり、一番、ここまでいろんなご苦労があったのは奥さんだろうからね。それで奥さんに贈った」。もちろん、かつて自分のところに届いた時と同じように店員さんの顔が見えないくらいの花を……。
広島に戻った黒田氏は、大フィーバーを起こした。2015年は11勝8敗、防御率2.55。2016年は10勝8敗、防御率3.09の成績を残して、カープの25年ぶりのリーグ優勝に大貢献した。そのシーズン限りで現役を引退したが、雄姿は語り継がれる伝説だ。「いい時にコーチもできたし、編成もできたと思う」。川端氏は2017年で広島を退団したが、そんなレジェンド右腕に関わることができたのは誇りでもある。
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)