コーチも仰天「凄いな、この子」 DeNA高卒ドラ1・松尾汐恩が持つ驚異の再現性

DeNA・松尾汐恩【写真:荒川祐史】
DeNA・松尾汐恩【写真:荒川祐史】

18歳の素顔「『今日ホームラン打ってきますわ』とか言うし…」

 それでも、やはり大きな期待を受けるだけの器ではあるようだ。「『これやってみて』ということが、すぐにゲームでできたりする。この前はフレーミングのキャッチングの振り返りをした時に『ここが弱いから意識してこういうイメージでやってみて』と言ったら、直後の試合でできていた。言われたことをすぐに再現する野球選手は強い。『凄いな、この子』と思う場面は結構あります」と舌を巻いた。

 また18歳の素顔については「超お調子者。ずっとふざけている」と明かす。「『今日ホームラン打ってきますわ』とか言うし、スローイングがちょっとできたら『ようやく覚えました!』とか言ってくる。俺のこと友達だと思ってるんじゃないかな」と笑うが、実は2人には深い縁がある。松尾が小学生時代、京都府内で参加した野球教室に教えに来ていたのが、阪神時代の鶴岡コーチだった。しかもこの野球教室には、今はチームメートとなった藤田一也内野手も教え手としていたというのだから驚きだ。

「『僕めっちゃいい投手だったから印象に残ってると思うんですけど、覚えてないですか?』って言ってきた。覚えているわけないだろって(笑)」

 投手だった少年は捕手となり、京都から神奈川に場所を移して10年弱の時を経て再会。指導者と選手として高みを目指している。「打つ方は上にいっても打てそうな気がしますけど、とにかく今はとことんやっています。1軍で“打てる捕手”として長くしっかりやっていけるように、球団として育成していきたいと思います。とにかく伸びしろしかないですから」と鶴岡コーチ。無限の可能性を秘めた18歳は、大きく花開くために鍛錬を積んでいる。

○著者プロフィール
町田利衣(まちだ・りえ)
東京都生まれ。慶大を卒業後、スポーツニッポン新聞社に入社。2011年から北海道総局で日本ハムを担当。2014年から東京本社スポーツ部でヤクルト、ロッテ、DeNAなどを担当。2021年10月からFull-Count編集部に所属。

(町田利衣 / Rie Machida)

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