エース奪還なるか 初黒星も原監督は評価…巨人逆転Vへ欠かせない菅野智之の“復活”

36.5%を占めたカットボール、ストレートは18.8%

 確かに菅野は、今季1軍初登板となった1週間前の11日・ソフトバンク戦では、5回までに93球を要し、4安打4四死球2失点。今回は6回を85球で済ませ、3安打無死四球2失点(自責1)と、制球は格段に安定感を増していた。

 最速は148キロ。85球のうち、最も多いカットボールが31球(36.5%)を占め、ストレートは16球(18.8%)止まり。スライダー、フォーク、カーブ、ツーシームも駆使し、昨季より変化球が多い印象を受けた。通算118勝のキャリアに裏打ちされた投球術はさすがで、球種にしろ、投球フォームにしろ、その日の自分の調子や相手によって自在に対応できる。故障の再発には注意しなければならないが、今後徐々にイニング数を増やしていくことになるだろう。

 巨人は今年の交流戦で、9年ぶり3度目の優勝こそ逃したが、11勝7敗の好成績で終えた。今季最大で10ゲームあった首位・阪神との差は、5.5ゲームに接近し、希望が広がった状態で23日からリーグ戦再開を迎える。菅野を欠いた投手陣はこれまで、3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも侍ジャパンの優勝に貢献した戸郷翔征投手が、ハーラー単独トップの8勝(1敗)を挙げる活躍で牽引してきた。菅野が残りのシーズンでエースの実力を証明できるかどうかに、リーグ優勝の行方がかかっている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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