代表入りならずも…「誰とも被らない」右腕に大注目のワケ 追い求める“蛇直球”

名城大・松本凌人【写真:加治屋友輝】
名城大・松本凌人【写真:加治屋友輝】

代表入りならずも…打者6人をパーフェクトの強烈アピール

 7月に米国で行われる「第44回日米大学野球選手権」を戦う日本代表26選手が19日、発表された。今年のドラフト戦線では大学生投手が豊作とされ、代表入りした11投手も全員が4年生だ。さらに、代表入りを惜しくも逃した中にも、選考合宿でスカウトの熱視線を集めた選手がいる。その1人が、上位候補との声も上がる名城大(愛知)の最速153キロ右腕、松本凌人投手(4年)だ。

 18日に行われた代表候補の紅白戦に登板すると、全国の強者が並ぶ打線を打者6人、完璧に抑えた。直球は最速149キロを記録、左打者の外角へのツーシームも冴えた。「春リーグがふがいなく終わったので、いいアピールができたとは思います。この最後のチャンスにかけるという思いで来たので」と手ごたえを感じる投球だった。

 この先の進路は「プロ1本でやっています」とキッパリ言い切る。昨年は春秋の全国大会に出場し、順調にアピールを続けていた。ところがこの春は不振にあえいだ。チームは愛知大学リーグの優勝を逃し、自身も11失点する試合があるなど苦しんだ。「今日はストライク先行で投げられたのでよかった。いいバッターがたくさんいるので、気持ちも入ります」。課題の制球を見つめ直してやってきた舞台で、最高の結果を出した。

 右横手から、豪快に腕を振る。神戸国際大附属高(兵庫)1年の冬、青木尚龍監督に上手投げからの転向を勧められた。16歳になる冬に訪れた一大転機にも「ラストチャンスだと思いました。まわりの1年はもうメンバーに入ったりしていたので、このままでは上で野球をできないと思った」と迷いはなかった。腕を下げると同時に、制球を重視するスタイルにモデルチェンジする投手も多い。ただ松本は「自分の特徴は強い球なので」。甲子園には届かなかったものの、高校時代の最速は144キロ。名城大に進み2年春には150キロを超えた。

「個性を大事にしたい」独特の投球スタイル…道しるべは1人だけ

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