救援からの「挑戦」は吉と出るか 平良海馬と藤井皓哉…数字で見る先発の“適性”

西武・平良海馬(左)とソフトバンク・藤井皓哉【写真:小林靖、荒川祐史】
西武・平良海馬(左)とソフトバンク・藤井皓哉【写真:小林靖、荒川祐史】

変化球の球種を加えたソフトバンク・藤井

 昨季ともに50試合以上にリリーフ登板し、防御率1点台をマークしたソフトバンク・藤井皓哉投手と西武・平良海馬投手。2人は今季から新たに先発として挑戦している。先発とリリーフでは求められる適性も異なるが、彼らの投球スタイルの変化について探っていきたい(成績は17日時点)。

 まずは藤井について見ていこう。昨季の藤井はストレート、スライダー、フォークの3球種で投球を組み立てていたが、今季はそこに、投球数こそ少ないもののカーブとカットボールを加えた。打者が狙い球を絞りにくくなるため、先発としては球種が豊富なほど優位に運べるが、右腕もオフから新球習得に取り組んで実行に移した形だ。

 球種の割合は、今季はフォークが減少しスライダーが増加している。藤井の代名詞はフォークだが、先発では救援のように決め球連発というわけにもいかない。要所をしっかりと見極めた上で、フォークを使っていることが見てとれる。

 藤井は、左内腹斜筋の肉離れで12日に出場選手登録を抹消となったが、そこまで5勝3敗、防御率2.35。課題は長いイニングを投げ切れていないことだ。途中降板した11日の巨人戦(PayPayドーム)を除く8試合のうち、6回以上を投げ切ったのはわずか2試合。ストレートの平均球速は球数が増えるごとにダウンし、スタミナ面の問題が見て取れる。

 さらに細かく見ると、ストレートの奪空振り率は、1巡目の13.8%から3巡目は5.6%になるなど対戦巡数を重ねるごとに悪化。ストライク率も徐々に低下していく傾向にあり、疲労がボールの精度に影響していると推測される。試合中盤以降は効率的にストライクを奪えておらず、フォークを有効に使うピッチングが出来ていない状況だ。先発投手として今後ステップアップしていくためには、1試合の中での力配分を身に付けていく必要があるだろう。

ピンチでギアを入れる西武・平良

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