巨人ファンなら「アッチイケ」 記者の名刺に反応…元助っ人が“ジョーク”に込めた阪神愛

ロッキーズのピアース・ジョンソン【写真:Getty Images】
ロッキーズのピアース・ジョンソン【写真:Getty Images】

大谷から三振を奪い、今季初勝利を挙げた元阪神のジョンソン

■ロッキーズ 7ー4 エンゼルス(日本時間24日・コロラド)

 日本を離れて4年が経ったが、一度灯った“猛虎魂”は消えていなかった。ロッキーズのピアース・ジョンソン投手は24日(日本時間25日)の敵地エンゼルス戦で今季初勝利を挙げた。試合後、取材に応じた右腕は記者が手渡した名刺の「虎」の文字に反応。「君、阪神ファン?」と笑顔で問いかけてきた。【川村虎大】

「オツカレサマデス」。一通り取材が終わったクラブハウスに、ジョンソンが髪を束ねて戻ってきた。記者が英語で「初勝利おめでとうございます」と伝えると、「アリガトウ」と日本語で返答。言語があべこべで取材が始まったが、初対面でも人の良さが伝わってきた。

 この日、1点を追う8回に登板。四球と安打で2死一、二塁のピンチを招き、サイクル安打に“王手”をかけていた大谷翔平投手を打席に迎えた。捕手の悪送球で二、三塁に。一塁は空いたが「後ろのトラウトには結構カモられていたからね。初対戦の大谷に自分のベストの球を投げたんだ」。NPB時代からの代名詞だった決め球、高速カーブで三振に斬った。「自分たちが思い描いていた結果になって、ありがたいよ」。安堵の表情で、今季初勝利の余韻に浸った。

 クラブハウスに来てすぐに取材が始まったため、挨拶ができたのはその後。記者は寅年の1998年生まれで名前に「虎」という文字が入っている。名刺を渡すと、ジョンソンが凝視。「虎はタイガーって意味だよ」と伝えると思い出したように笑い、「君、阪神ファンなの?」と問いかけてきた。

「母が阪神ファンです」。そう答えると、「君は?」と再度聞いてきた。返事を考えていると「巨人ファンじゃないよね?」とチクリ。記者が「もし巨人ファンだったら?」とさらに質問で返すと「アッチイケダ」。日本語の返答に思わず笑ってしまった。

 その後も、片言の記者の質問に、丁寧に答えてくれた。「いつまでいるの?」「ようこそアメリカへ」「ヨロシクオネガイイタシマス」。取材が終わった後も、記者を気遣い、たくさんの逆質問を受けた。わずか数分の会話だったが、今でも変わらない阪神への思いを感じることができた。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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