まさかのランニング弾に「やらないと!」 全力疾走で忘れかけた“お決まり”ポーズ

ランニングホームランを放ったオリックス・杉本裕太郎【画像:パーソル パ・リーグTV】
ランニングホームランを放ったオリックス・杉本裕太郎【画像:パーソル パ・リーグTV】

オリックスのラオウこと杉本が激走ランニング弾

■オリックス 10ー0 ロッテ(28日・京セラドーム)

 必死の全力疾走で“お決まり”を忘れかけていた。オリックスのラオウこと杉本裕太郎外野手は28日、本拠地で行われたロッテ戦に「6番・指名打者」でスタメン出場。4打数3安打3打点の活躍で、チームを10-0の大勝に導いた。2点リードの7回無死、一、三塁では、左翼フェンス直撃の11号ランニング3ランを放ち、呼吸を乱しながら喜んだ。

 緩急を生かした投球に、うまく対応した。フルカウントからの6球目、チェンジアップをすくうと打球はグングン伸びた。「結構、体勢が崩れていた。犠牲フライにはなるかなと思っていた」。無心で一塁に向かって走り出すと、打球は左翼フェンスに直撃し、大きく跳ねた。

「(中嶋)監督やコーチから全力疾走を日頃から言われている。(力を)抜かずに走ってよかった。(いつも)ちゃんと走っていてよかったです」

 息を切らしながらも、全速力で本塁に生還。スライディングを決めた後、立ち上がって両拳を突き上げた。少年野球以来のランニング弾に「ホームラン(の数)が1つ増えて嬉しいです」と歓喜の声をあげると同時に「ストライドが広くなりすぎていた。次からは良いフォームで走れるようにします」と“課題”も口にした。

 この“1本”で本塁打ランキングトップを走る日本ハム万波に3本差と迫った。2021年に本塁打王となった杉本は「全力で(本塁に)かえってきたので、誰かのタイムリーでベンチに戻った感覚でした(笑)。『あ、やらないと!』って咄嗟に思い出して、昇天ポーズをしました」と笑みを浮かべた。

 過去1番と言っていいほど“白熱”した「昇天ポーズ」。スタジアムの一体感を生むラオウの一振りが、3連覇の夢へとつながっていく。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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