日本人へ「おめでとう」 大谷翔平のキング独走31号、米記者が予感する“ジャッジ超え”

31号を放ったエンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】
31号を放ったエンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】

スポイラ誌のソマーズ記者「日本人は世界一の野球選手を見られるんだ」

■エンゼルス 5ー2 Dバックス(日本時間3日・アナハイム)

 エンゼルスの大谷翔平投手は2日(日本時間3日)、本拠地のダイヤモンドバックス戦に「3番・指名打者」で先発出場し、8回の第4打席に右越え31号ソロを放った。2試合ぶりで7月初アーチは、リーグの本塁打王争いでは2位に7本差。飛距離454フィート(約138.4メートル)の特大弾は、敵軍メディアを魅了するには十分だった。

 先発投手としてもオールスター戦に選ばれ、試合では4連敗ストップを決定づける特大31号ソロ。日本メディアは文字通りバタバタの一日だ。バックネット裏の記者席でパソコンのキーボードを叩いていると、後ろに座る米記者が話しかけてきた。スポーツ・イラストレイテッド誌のDバックス番ジャック・ソマーズ記者だ。

「おめでとう。君たち日本人は世界一の野球選手を見られるんだ。ベーブ・ルースとも違う。二刀流で活躍した期間は少なかったからね。ショウヘイは歴史上でもトップの野球選手だ」

 確かにとんでもない一撃だった。右翼席中段へ伸びていく大飛球は打った瞬間の確信弾。右翼を守るフレッチャー弟はまともに追おうともしなかった。このDバックス3連戦で2発。リーグの違うソマーズ記者が大谷の公式戦を生で見るのは2021年6月以来2年ぶりだったが、予感めいたことも口にした。昨季、ヤンキース・ジャッジが作ったシーズン62本塁打の記録更新だ。

 まだシーズン58発ペースでジャッジの本塁打記録には届かない。それでもチーム86試合目での31号は、チーム89試合目で到達した昨季のジャッジより3試合早い。ソマーズ記者は期待を込める。

「ショウヘイはなんでもできる。彼にできないことは何もないからね」

 このソマーズ記者はガチの野球人だ。米国野球殿堂のあるニューヨーク州クーパーズタウン出身で、2000年代にDバックスのアナリストとして活動。中国、台湾など世界各国の野球選手を現地で見てきたという。現在は記者に復帰し、今季はドジャースなど強豪ひしめくナ・リーグ西地区で首位を走るチームを追いかけている。

「そもそも私はショウヘイが投打で1年間、健康体でプレーできるとは思ってなかった。今は(調子の)ピークだろうし、これからどうなるか分からないが、彼の普通は普通じゃないからね」

 目利きの米メディアをうならせるパフォーマンスなのは間違いない。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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