「大丈夫、次があるさ」驚いた日本の優しさ 5万人の前で…マクガフを強くした“経験”

ダイヤモンドバックスのスコット・マクガフ【写真:ロイター】
ダイヤモンドバックスのスコット・マクガフ【写真:ロイター】

日本では「学ぶものがたくさんあった。そのお陰で自信もたくさんついた」

 ダイヤモンドバックスでブレーク中のスコット・マクガフ投手が、日本での思い出を振り返っている。メジャーに復帰した今季は、39試合に登板して0勝6敗、12ホールド7セーブ、防御率2.84の好成績。地元紙「アリゾナ・リパブリック」のミケーレ・ガードナー記者によるインタビューに答えている。

 ヤクルトで4年間プレーし、守護神として日本一にも貢献。今季からダイヤモンドバックスと2年総額625万ドル(約8億9500万円)で契約を結び、メジャー再挑戦していた。4月には2者連続弾を浴びてサヨナラ負けを喫するなど苦戦したが、5、6月には17試合連続で自責点なしと33歳でブレークを果たした。

 守護神としての起用も増え、元ヤクルトのトレイ・ロブロ監督も信頼を口にしている。「彼は試合の最終盤に登場する存在としての地位を確立している。とても信頼している。持ち球を駆使してストライクゾーンに投げ込み、ほとんどの場面で簡単にアウトを奪ってくれるだろう。我々の勝利に貢献してくれる存在だ」と記事内で明かしている。

 また、マクガフ本人は日本での経験も大きかったと感じているようだ。「彼ら(日本時代のファン)はかなりいい人たちだった。すごく幸運だったよ。球場から歩いて自宅に帰った時、僕に向かってこう叫ぶ人がいたんだ。『ナイスピッチング。大丈夫、次があるさ』とね。彼らは毒舌を吐いたりはしないんだ」。ファンに支えられて徐々に自信を深めていったという。

「(救援投手というのは)プレッシャーが凄くかかる。思考プロセスも(先発投手とは)違ってくる。子どもの頃に苦労してそれを学んできたし、日本では5万人の観客がいるなかで1点差の試合で登板したものだよ。僕にとっては素晴らしい経験だった。なぜなら、学ぶものがたくさんあったから。そのお陰で自信もたくさんついた」

 ヤクルトでの4年間では、大きな舞台での登板も多かった。2021年には日本一の胴上げ投手を経験し、2022年には日本シリーズでまさかの3敗を喫した。苦い思い出も糧にメジャーの舞台で飛躍を続け、ナ・リーグ西地区首位を走るチームの原動力になっている。ポストシーズンでの登板を掴むことができるだろうか。

(Full-Count編集部)

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