米主砲から日本語で「大丈夫か?」 救急搬送の侍戦士を気遣い…野球で深まる国際交流

日米大学野球に出場する侍ジャパン・細野晴希【写真:川村虎大】
日米大学野球に出場する侍ジャパン・細野晴希【写真:川村虎大】

大学侍J細野へ…米国代表主砲から日本語で届いた“気遣い”のDM

 第44回日米大学野球選手権は、11日(日本時間12日)の第4戦(米サウスカロライナ州チャールストン)で大学日本代表「侍ジャパン」が勝利。2勝2敗のタイになり、優勝の行方は12日(同13日)の最終戦にもつれ込んだ。痺れる戦いが続いているが、試合以外では国を越えた交流が深まっていた。

 侍ジャパンが1点リードの8回2死一塁。マウンドに上がる前、ブルペンで細野晴希投手(東洋大)はくすっと笑った。視線の先はネクストにいたジャック・カグリオーン内野手だった。前回登板では自信を持って投げた直球を中前に弾き返され、適時打を浴びていた。「目が合って『また対戦する』って思って。ちょっと笑ってしまいました」。二ゴロに抑え、リベンジを果たした。

 試合ではライバル関係だが、球場外では「結構仲良くなった」と細野は言う。通訳アプリを使い、相手の言語を用いて、インスタグラムのDMでやり取りをしているという。そんな中で、カグリオーンから9日(同10日)の試合後に、ある“気遣い”を受けたことを明かした。

「『ハルキ、ボールに当たった子は大丈夫か?』ってきました」。9日(同10日)の第3戦で牽制球が体に当たり、救急車で搬送された上田希由翔内野手(明大)を心配する連絡だった。精密検査の結果、首の打撲と診断されたが、米国側も心配していたようだった。

 日米大学野球選手権は勝っても負けても残り1試合。過去にはこの大会に出場した選手から多くのプロ野球選手やメジャーリーガーが生まれている。将来、別のカテゴリーでの再戦が見られるか。いずれにしても、今大会で生まれた縁は、今後も続いていく。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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