マイナー8年目でHR量産 エ軍の新星が語る覚醒の理由「とにかく身を粉にするだけ」

エンゼルスのトレイ・キャベッジ【写真:ロイター】
エンゼルスのトレイ・キャベッジ【写真:ロイター】

キャベッジは15日にメジャー昇格、打率.444と猛アピール中

 エンゼルスの救世主となるのか。トレイ・キャベッジ内野手は14日(日本時間15日)に待望のメジャー初昇格。ここまで4試合出場して9打数4安打の打率.444とメジャー定着へアピールを続けている。「とても恵まれていると思う。昇格出来て、とても感謝している。このチームはみんな懸命に戦っている。このチームの一員になれてとても楽しい」と声を弾ませる。

 2015年ドラフト4巡目(全体110位)でツインズ入り。2021年11月にエンゼルスとマイナー契約を結び、マイナー8年目の今季ようやく花が開いた。傘下3Aソルトレークで81試合出場して打率.287、23本塁打、64打点。本塁打はマイナートップだ。110三振と多いが、迷いなく打席に立てていることが結果につながっているのだという。

「決まったアプローチを変えずに続けていること、そして打席で以前より頭を使っていることかな。全てがピークを迎えていて、これまでの過程を信じている結果かな。いい球が来たから見逃さなかった。メジャーでもそれができるといいね」

「マイナーリーグでは日々が大変で同じことの繰り返しだ。スケジュール、移動などがね。日々の試合をこなすのがとても大変なんだ。でも世界で一番いい仕事だし、マイナーリーガーみんなの目標はメジャーに昇格することだ。マイナーでは、とにかく身を粉にして、できることをするだけだね」

 15日(同16日)のアストロズ戦ではサヨナラ生還し、16日(同17日)は初スタメンで3打数3安打の活躍。この日のヤンキース戦は5回にエンタイトル二塁打と結果を出している。「(15日は)ホームインして仲間と祝いあって、みんながものすごい熱量でプレーしていると感じた。本当に素晴らしかった」。メジャーでの経験は全てが新鮮だ。

 同僚には大谷翔平がいる。3歳年上の二刀流には畏敬の念を抱いている。目を見開いて切り出した。

「投打両方で何もかもがあまりにうまい、普通じゃないよ。ベンチでみんなで話していたんだ。『このことの本当の価値をきちんと理解しないといけない』って。だって今までこんなこと一度も起きていないんだから。彼は一生に一度会えるかどうかの選手、ユニコーンだ。だから同じクラブハウスにいて、日々一緒にプレー出来て最高だ。現実とは思えないよ」

 まだ昇格したばかりで大谷と交流はできていないという。「彼には日々のルーティンがあって、とにかく邪魔しないようにしてるからね。でも、いい奴だと分かる。とても好きだね」。大谷との共闘は、確かな刺激となっているようだ。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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