藤浪晋太郎は「利口だと思う」 敏腕代理人が見抜いた電撃移籍の先にある“勝算”

レイズ戦の7回にオリオールズ移籍後初登板を果たした藤浪晋太郎【写真:Getty Images】
レイズ戦の7回にオリオールズ移籍後初登板を果たした藤浪晋太郎【写真:Getty Images】

アスレチックスからオリオールズに電撃トレードの藤浪にボラス氏「順応した」

■レイズ 3ー0 オリオールズ(日本時間22日・セントピーターズバーグ)

 オリオールズにトレード移籍した藤浪晋太郎投手の代理人を務めるスコット・ボラス氏が21日(日本時間22日)、レッドソックス-メッツ戦が行われたフェンウェイ・パークに姿を現し、藤浪の電撃トレードについて「ワクワクするね」と言及した。

 試合開始前に同じく代理人を務めるレッドソックスの吉田正尚外野手と握手を交わして談笑した後、笑顔で取材に対応。藤浪の移籍について「多くの人が(藤浪の)MLBでの安定感を疑問視した。それなのに、多数のチームが(今回)彼を獲得しようとした。それは、彼がアスレチックスで速球とスプリットをピンポイントで制球できる能力を獲得し、効果的なピッチングができると証明したということだ」と力説した。

 ボラス氏は先発での起用を願った藤浪に対し「こちら(米国)に来て、1イニング投げることができることを見せてくれ、すべてはそこからだ。先発投手になれないというわけではない」と“説得”した経緯も説明した。

 さらにボラス氏は「リーグに慣れて、セットポジションで投げることができ、スプリットをストライクゾーンに投げることができる価値が分かったことが、リーグ全体に彼の価値を知らしめることになった」と腕を組んだ。

 オリオールズへの電撃トレード移籍の理由については「彼が(米国に)慣れたことだ」と言及。日本人選手の特徴として「(初めて)海外でプレーするときは、全員の顔色をうかがうものだ。(周囲の)全員に満足してもらいたい。特にこちらに来る場合はそう。日本人はすばらしい従業員になりたい、きちんとやりたいと思う。心底、雇う側が求める従業員になりたいと思うものだ」と深く頷いた。

 ただ、藤浪は“利口”だったと続ける。「彼は早々に(米国に)順応した。私は彼がとても利口だと思う。自分の心理や感情を理解し、4か月で本当に多くのことを彼は学んだ。私は彼に言った。君をトレードするときは、君自身を獲得するだけではなく、君を獲るために他の選手を手放すんだと。つまり、価値が上がったということだ。MLBでさらに高いポジションを手に入れたんだ、とね」。穏やかな表情から熱を込めて語るボラス氏には、“勝算”があるように見えた。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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