地獄の緊張感も…忘れられぬ敗北 OB坂口氏が見たオリックスが“常勝”に変わった瞬間

オリックス時代の坂口智隆氏【写真:編集部】
オリックス時代の坂口智隆氏【写真:編集部】

優勝をかけた試合で代打ヒット&同点ホームを踏んだ坂口智隆氏

 リーグ3連覇、連続日本一を狙うオリックスは、両リーグ最速で50勝に到達し首位をキープしている。戦国パ・リーグで熾烈な優勝争いを繰り広げるチームを温かく見守っているのが、球団OBの坂口智隆氏。2014年にはキャプテンを務め、あと一歩で優勝を逃した経験を踏まえ「僕は2位の男だった」と現役時代を振り返る。

 坂口氏は2005年から2015年までオリックスに在籍し、2011年に最多安打、2008年からは4年連続ゴールデングラブ賞を受賞するなどチームを支えた。今でも思い出に残っているのが、ソフトバンクと死闘を繰り広げた「10・2決戦」だ。Full-CountのYouTubeコーナー「坂口智隆の伸び代しかない!」で、その緊迫の一戦の思い出を含むオリックス時代を語り尽くしている。

 2014年10月2日、ソフトバンクはこのシーズン最終戦で勝てば優勝、オリックスは残り3試合を残していたが、直接対決に勝てば1996年以来のリーグ制覇が限りなく近づく事実上の“優勝決定戦”だった。坂口氏は1点を追う7回、先頭で代打として出場し左前打を放った。その後、2死二塁から原拓也内野手の右前適時打で一時同点のホームを踏んだ。

 当時の坂口氏は右肩の故障から復帰したものの、本来の打撃を取り戻せず守備固め、代打など途中出場が多かった。この大一番に代打で結果を残し、その後も左翼の守備に就き出場し続けた。だが、本人のなかでは「このまま俺、行くんやって。その後の守備は(緊張感で)地獄でした(笑)」と本音を明かす。

CSも敗れて終えた激動の1年「あの時から新しいオリックスに変わった」

 結果的に、試合は延長10回1死満塁から松田宣浩内野手(現巨人)にサヨナラ適時打を浴び敗戦。チームは2位でCSに出場したが、日本ハムに敗退し激動のシーズンを終えた。坂口氏は2016年にヤクルトに移籍することになるが、「あの時から新しいオリックスに変わっていった」とチームの変化を口にする。

 ヤクルト移籍後には日本一を経験したが、「僕が主力でやっている時は最高成績は2位。ヤクルトの優勝の時も、ほとんどがファームだったので僕は“2位の男”。悪い時も経験しないと良いばっかりじゃ、なかなか人は成長しない。今は強いオリックスを見ることができてうれしいし、これからも陰ながら応援していきたい」と、エールを送っていた。

【動画】退団の裏側、10・2決戦、グッチコールの本音 坂口智隆氏がオリックス時代を語りつくす

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY