大型補強に踏み切ったエ軍の“功罪” 有望株2人も放出…米識者「代償は大きい」

エンゼルス・大谷翔平(左)とフィル・ネビン監督【写真:Getty Images】
エンゼルス・大谷翔平(左)とフィル・ネビン監督【写真:Getty Images】

ジオリト&ロペスの獲得と引き換えに2人の有望株を放出

 エンゼルスが踏み切った大型補強は、吉と出るか、凶と出るか……。27日(日本時間28日)、ホワイトソックスとの交換トレードで通算59勝のルーカス・ジオリト投手とレイナルド・ロペス投手を獲得したと発表。プレーオフ進出に向けた勝負手だが、結果的に未来に影を落とす懸念も拭えない。

 ジオリトは今季ここまで21試合に登板して6勝6敗、防御率3.79。11勝9敗ながら防御率4.90と精彩を欠いた2022年と比べると頼もしさを取り戻した。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」の元記者ブレント・マグワイア氏は「データ予想によると(期待値は)防御率4.25ほどだが、それでも質と量(投球回数)の両方で高い実績を持っている」と期待。カリフォルニア州サンタモニカ出身とエンゼルスとの縁にも触れながら「手堅い(ローテーションの)2、3番手であり、契約延長候補だ」と見通した。

 ロペスは今季43試合登板で2勝5敗4セーブ、防御率4.29。マグワイア氏は、速球の平均球速が1.2マイル(約1.93キロ)上がったことに触れつつ「奪三振率と与四球率が上昇した」と言及。ただ一方で「投球の質は素晴らしいが、明確に制球力に課題がある」とも添えた。

 補強としては間違っていないのかもしれないが、マグワイア氏は「ジオリトとロペスを獲得した代償は間違いなく大きい」とも。エンゼルスは、MLB公式サイトで球団2位の有望株のエドガー・クエロ捕手と同3位のカイ・ブッシュ投手を放出。将来の主力を手放したことに、嘆きを込めてこう言った。

「エドガー・クエロは打撃が良い。たとえ彼が平均以下の捕手だとしても、打者としての才能でいずれMLBでプレーすることになるだろう。彼は、まだ20歳だ。カイ・ブッシュも評価の分かれる投手だが、将来の先発5番手候補か、いい左の中継ぎになるだろう」

 この補強の成否を決めるのは、紛れもなくプレーオフ進出。もし9年ぶりの悲願を逃し、オフに大谷翔平投手も退団する事態となるなら……。エンゼルスの未来を占う2023年シーズンになるかもしれない。

(Full-Count編集部)

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