岡田監督も高評価「規制せず打たせてる」 悔しさを糧に…阪神ドラ1の“成長曲線”

阪神・森下翔太【写真:荒川祐史】
阪神・森下翔太【写真:荒川祐史】

ドラフト1位・森下翔太がプロ初の1試合4安打3打点の大暴れ

■阪神 7ー2 広島(28日・甲子園)

 阪神のドラ1が夏場を迎え本領発揮だ。森下翔太外野手が28日に行われた広島戦(甲子園)に「3番・左翼」でスタメン出場し、プロ入り初の4安打3打点と大暴れ。春先は苦しんだ新人の活躍に岡田彰布監督も「規制せずに普通に打たせている」と、成長を認め信頼を口にした。

 広島との首位攻防戦で森下のバットが火を噴いた。第1打席は初回1死二塁のチャンスで中前適時打を放つと、1点を追う3回1死一、二塁の第2打席では痛烈な右前打。右翼手・野間が後逸する間に走者2人が生還し逆転に成功。さらに5回は左前打、6回にも一塁強襲の2点適時打と広角に打ち分け虎党を沸かせた。

 4試合連続で3番に座る森下は「人生でも4安打したのは初めてだと思う。大事な試合で打てたのは良かった」と笑顔。中軸を任されるなかでも「あんまり気持ちは変わっていない。3番でチャンスに回ってくる事が多い。しっかり打てたのはよかった」と、重圧を感じることなく自然体で打席に入っていることを口にする。

 この試合までは41試合に出場し打率.195、2本塁打17打点。春先から打率1割台と苦しんでいたが、これで7試合連続安打と徐々に状態を上げている。この日、対戦した野村に対しても「コントロールの良い投手。大きな外れるボールというより、ゾーン内でしっかり勝負してくると思ってボールを我慢していた」。やみくもにバットを振るのではなく、投手によって打席の考え方を変えることで結果に繋がっている。

森下「悔しい思いを何度もした。毎試合、毎試合、気合を入れて挑んでいます」

 一夜で首位に返り咲いた岡田監督も4安打3打点の森下に「(4安打は)プロ初だったんかな? ずっと内容もいいし、追い込まれても右に打つ。これを続けてほしい」と評価。近本が不在の時には1番を任せ、25日の巨人戦からは中軸となる3番に起用した指揮官の期待にルーキーも応えている。

 持ち前のパワーに加え、右方向にも強い打球を放つ姿に「繋がりというか、そういうふうなのもあるし。追い込まれても、上手く対応できている。まぁ、規制はせず普通に打たせているんでね」と岡田監督。勝負の夏場を迎え、少しずつ成長した姿を見せる背番号「1」に賛辞を送る。

 満員の甲子園で行われた首位攻防戦。痺れる試合での活躍ぶりにも森下は慢心していない。

「悔しい思いを何度もした。毎試合、毎試合、気合を入れて挑んでいます。まだ広島と2試合残っている。勝ち切って、必ず首位でいきたい」

 春先の悔しさを晴らすのは1試合4安打では物足りない。勝負強さを取り戻したドラ1ルーキーが、これからも甲子園を沸かせていく。

【実際の映像】ドラ1の本領発揮…森下が美しい右打ちでプロ初の4安打

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