あと1死…原監督から背中叩かれ「すいません」 巨人・山崎伊織の成長物語る“小細工なし”

7回途中で降板した巨人・山崎伊織【写真:中戸川知世】
7回途中で降板した巨人・山崎伊織【写真:中戸川知世】

原監督から「(7回を)投げ切ってほしかったよ!」も…今季8勝目

■巨人 6ー3 中日(29日・東京ドーム)

 巨人の投手陣は、若手が引っ張る。23歳の戸郷翔征投手が開幕からエース格の働きで、リーグトップタイの9勝を挙げているのに加え、プロ3年目で2歳上の山崎伊織投手も29日の中日戦(東京ドーム)で6回2/3を3失点に抑え、8勝目(2敗)をゲット。「戸郷が頑張って引っ張ってくれているので、なんとかそれに食らいつきたいという思いでやっています」と明かした。

 あと1死足りなかった。5-3とリードして迎えた7回。山崎伊は2死走者なしから、代打の三好大倫外野手に中越え二塁打を浴び、中日ベンチから左の代打・川越誠司外野手がコールされたところで、左腕・今村信貴投手への交代を命じられた。東海大の大先輩にあたる原辰徳監督から「(7回を)投げ切ってほしかったよ!」と背中を叩かれ、「すみません」と頭を下げてベンチへ退いた。この回を全うしていれば、規定投球回に到達していたが、わずかに届かなかった。

 とは言え、プロ初勝利を含めて5勝(5敗)を挙げた昨季より、また一段レベルを上げ、現時点でチームに6つの貯金をもたらしている。右打者の懐をえぐるシュートと、その逆方向へ曲がるスライダーを武器に安定した投球を続ける。原監督は「あそこ(交代した場面)をなんとか、という思いはありましたが、相手打者を見ながら投げられるようになってきた。あまり小細工に走らずに力投できる、汗を流せるという部分で成長した投手だと思います」と評した。

 昨年オフには、バッテリーを組む大城卓三捕手ともに、菅野智之投手の米ハワイでの自主トレに参加。コミュニケーションを深め、大城のサイン通りに投げるだけでなく、その意図を汲み取れるようになってきた。「去年、桑田(真澄ファーム総監督=昨季は1軍投手チーフコーチ)さんから『考えて投げなさい』と教えていただきました。考えることは得意ではありませんが、大城さんと普段からたくさん話をして、サインひとつでも大城さんの意図を感じたいと思っています」とうなずく。

 一方、右投げ左打ちで打撃センスも優れている。6回1死走者なしで迎えた打席では、中日2番手・藤嶋健人投手のスプリットを逆方向の左前へ弾き返し、今季5安打目をマーク。昨季の打率は投手としては高い.231(26打数6安打)で、今季も.192。「ウチは投手も攻撃に参加しようと、他のチームよりも打撃練習をたくさんやっています。戸郷、井上(温人投手)が打って、そこから上位に回って点が入ったこともありましたし、自分が投手でも、投手に打たれたら嫌ですから、少しでも攻撃に参加したいです」。ここでも戸郷や、3歳下の井上との競争意識が背中を押す。

 試合終了時には、原監督から「何勝目だ?」と再び声をかけられ、「8です」と答えると、「あと5つくらい勝ちたいなぁ」と期待を寄せられた。「勝ち星以上に、先発としてゲームをつくり、今年1年投げ切ることを目指したいです」と山崎伊。先発ローテの軸の1人として進化を続ける。

【実際のシーン】原監督も少し悔しそう…あと1死届かず降板する巨人・山崎伊織

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY