通算1468打席目、ひっそり記録した“プロ初” オリ中嶋監督が見せた勝利への執念

初の犠打を決めたオリックス・杉本裕太郎【画像:パーソル パ・リーグTV】
初の犠打を決めたオリックス・杉本裕太郎【画像:パーソル パ・リーグTV】

エース山本は7回7安打無失点の好投で3年連続2桁となる10勝目をマーク

■オリックス 6ー2 楽天(1日・京セラドーム)

 オリックスは1日、京セラドームで行われた楽天戦に6-2で勝利し3連勝。エース・山本由伸投手が7回7安打無失点の好投で3年連続2桁となる10勝目をマークした。投打が噛み合う白星だったが、中嶋聡監督の勝利への執念を感じさせる采配もあった。

 エースが抑え主砲の特大弾で援護する。7月は15勝7敗と勢いに乗る楽天を相手に完璧なゲーム運びを見せた。3回2死から山足、紅林の連続二塁打で先制点を奪うと、4回には先頭の頓宮が左翼5階席へ特大の12号ソロで追加点。さらに5回には頓宮の中前適時打、続く宗の中越え2点適時二塁打と3点を奪い試合を決めた。

 山本は初回こそ2安打を許し2死一、二塁のピンチを背負ったがフランコを空振り三振。6回は1死一、三塁のピンチもフランコを三ゴロ併殺に仕留め無失点。走者を許しながらも要所を締める投球でスコアボードに0を並べた。

 7安打を浴びながらも得点を許さなかったエースの力投に中嶋監督は「完全に捉えられたようにも見えませんでしたし。本当に向こう(楽天)も調子いいので。ゼロということで」と賛辞を送った。長短打で効率よく得点を重ねていったが、序盤には指揮官の“執念”が見えた場面もあった。

 2点リードの4回無死一塁で打席には杉本。ここでベンチのサインは送りバント。ファーストストライクできっちり決めると、その後は若月、廣岡が倒れ得点には結びつかなかったが、通算385試合目、同1468打席目でプロ初犠打を記録した。7月30日の日本ハム戦(エスコンフィールド)では約1年ぶりに1番で起用されると、初回の第1打席で先制の12号ソロを含む2安打を放っていた。

 中嶋監督も杉本の復調を願い試行錯誤を続けているが、犠打の場面を問われると「まぁねぇ……。ちょっと……」と言葉を選びながらも「何としてでも、というのはやっていかなきゃいけないこと。誰かれなくやっていきます」とキッパリ。勝負の8月を迎え、1つの負けが命取りになる。リーグ3連覇を狙うチームの将は勝利最優先でタクトを振るっていく。

【動画】オリ中嶋監督「誰かれなくやっていく」 杉本がプロ8年目、通算1468打席目でプロ初犠打

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