オリックスはなぜ強い? 劇勝呼んだ“抗議”…田口コーチの1プレーに懸ける執念

楽天戦でサヨナラ打を放ったオリックス・茶野篤政【画像:パーソル パ・リーグTV】
楽天戦でサヨナラ打を放ったオリックス・茶野篤政【画像:パーソル パ・リーグTV】

同点の9回2死満塁から途中出場のルーキー・茶野が劇的なサヨナラ打

■オリックス 3ー2 楽天(2日・京セラドーム)

 オリックスは2日に行われた楽天戦(京セラドーム)を3-2でサヨナラ勝ち。4連勝を飾り貯金も「20」の大台に乗せた。9回2死満塁からルーキー・茶野の中前打で試合を決めたが、1つのプレーにこだわり、勝利への執念を見せた場面もあった。

 劇的な幕切れだった。同点のまま迎えた9回2死満塁。ルーキー・茶野は楽天・安楽が投じた150キロの直球を完璧に捉えると打球は中前に弾んだ。自身初のサヨナラ打に「打席に入る前から初球から行こうと思っていたので、振れたことがまずはよかったです」と笑みを浮かべた。

 開幕直前に支配下登録を勝ち取り、開幕スタメンに抜擢。一時は打率トップに立つこともあったが、打撃不振に陥り7月に2軍落ちを経験した。それでも、持ち前の積極性を見失わず再昇格を果たすと、この日は途中出場ながら大仕事を成し遂げた。

 最後の最後までもつれた試合だったが、戦っているのは選手だけじゃない。7回1死一、二塁の場面では中川圭が放った大飛球を右翼手・小郷がジャンピングキャッチ。一走・紅林、二走・宜保が慌てて帰塁したが、楽天サイドが一走・紅林が二塁ベースを踏まず空過したとしてリクエストを要求。リプレー検証の結果、紅林はアウトとなった。

 これに一塁ベースコーチの田口外野守備走塁コーチは納得ができず猛抗議。審判団に詰め寄り中嶋監督、水本ヘッドコーチらもベンチを飛び出し両者をなだめる場面があった。リプレー検証後の抗議は認められていないため、あわや退場になるシーンだった。

 試合後、中嶋監督は何とも言えない表情を見せつつも「波風立てないようにしましょう」と、深く追求することはなく冷静な対応を見せた。田口コーチも「審判の方々がああいう風にジャッジを下しているので、そこはどうのこうのじゃない。ジャッジが全てなので。審判団の方々には感謝と敬意しかないので」と、笑顔をみせ球場を後にした。

 これで2位ロッテとのゲーム差を今季最大の「5」に広げ、3位・ソフトバンクは自力優勝の可能性が消滅。チーム一丸となり白星を奪いに行く中嶋オリックス。リーグ3連覇に向け、いよいよ独走態勢に入ってきた。

【実際の映像】育成新人とは思えぬ勝負強さ! オリ茶野が放った劇的な一打で中嶋監督と歓喜の抱擁

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY