「日本版トラウト」との対戦が心待ち 西武新助っ人、望むフル回転「回をまたぐ」

西武と契約を結んだブルックス・クリスキー【写真:宮脇広久】
西武と契約を結んだブルックス・クリスキー【写真:宮脇広久】

西武・渡辺GM「1番厳しいところを担ってほしい」

 西武と契約を結んだブルックス・クリスキー投手が3日、本拠地ベルーナドームに隣接する球団施設で入団会見を行った。昨季DeNAでプレーした29歳の右腕で、背番号は「99」に決定。西武が獲得に至った決め手は、日本野球の経験があり“即戦力”であることだった。

 クリスキーはヤンキース、オリオールズを経て、昨季はDeNAに在籍。昨季は18試合に登板し、1勝1敗1セーブ4ホールド、防御率2.57の成績を残した。今季はロイヤルズとマイナー契約を結び、6月にメジャー昇格。リリーフで4試合に登板し0勝0敗、防御率4.05をマークし、7月25日に西武と契約を締結した。

 クリスキーは「日本野球では、走者を背負った状態で、いかにスライドステップ(クイックモーション)で走者を自由にさせないかが重要だった」と振り返り、「日本にいる間にそういうことに取り組み、日本で学んだことを今年アメリカでも実行することができた。それが自分に自信を与え、より良い投手になれたと思っています」と語った。

 その言葉通り、助っ人投手は日本の投手に比べると投球モーションが大きい傾向があり、来日当初“走られ放題”となる投手もいる。渡辺久信GMは「新外国人投手はどうしても、サイドステップなどを練習する期間が必要になるのだけれど、その点クリスキーは日本でやっていただけあって、すぐに対応できそう」と説明する。

 西武は、セットアッパーとして重要な役割を果たしていた森脇亮介投手が、右上腕動脈閉塞症を患い7月中旬に離脱。その穴を埋めることが課題となっている。渡辺GMは「先発陣はある程度安定してきているだけに、(守護神の)増田(達至投手)につなぐまでの、試合の中で1番厳しいところを担ってほしい」とクリスキーに期待を寄せる。

150キロ台後半の直球と「1番自信のある」フォーク

 クリスキーの持ち味は、190センチの長身から投げ下ろす150キロ台後半の直球とフォーク。「日本にもフォークを投げる投手がたくさんいることは承知しているが、自分にとっても、フォークが1番自信のある球」とアピールする。「新しい球種を覚えるというよりは、今持っているボールの動かし方を変えることを考えていきたい。例えば、同じフォークでも、真っすぐ落ちるフォークと、左打者から逃げていくフォークでは、違う球種と言っていいと思う」と持論を述べた。

「ヤナギタ・ユーキ(ソフトバンクの柳田悠岐外野手)は、日本版マイク・トラウトだという噂を聞いている。将来殿堂入りするような選手との対戦を、楽しみにしている」とも語った。昨季の日本生命セ・パ交流戦では、ソフトバンク戦に登板する機会がなかったが、同一リーグとなる今季は、念願の対決が実現しそうだ。

「1イニングだけでなく、回をまたぐこともいとわずにやっていきたい。何よりチームの勝利に貢献したい」と泣かせるセリフを並べるクリスキー。西武は現在リーグ5位だが、7月10日から同22日まで今季最長の7連勝を飾るなど上り調子なだけに、上位進出の鍵を握る存在になるかもしれない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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