吉田正尚がパ首位打者に贈る金言「気にしたらダメ」 本物の“覚醒”に必要な継続力

レッドソックス・吉田正尚(左)とオリックス・頓宮裕真【写真:ロイター、小林靖】
レッドソックス・吉田正尚(左)とオリックス・頓宮裕真【写真:ロイター、小林靖】

吉田正尚が明かす頓宮との連絡

 時差13時間の日本と米国・ボストンでも“距離感”は変わらない。レッドソックスの吉田正尚外野手が“最も連絡を取る”選手は、オリックスの頓宮裕真捕手だという。

「たまに連絡してきますね。1番、連絡を取ってると思います。打撃のこと、聞いてきますよ。今年、彼もすごく調子が良い。良い関係を築けていると思います」

 普段は“時差”の関係もあり、日本野球の情報をあまり見ない吉田だが、気になる後輩のスイングは密かにチェックしている。「“覚醒”したと言うかね。まだまだ未知数なところはあると思いますけど、順調に来ているんじゃないですか? 周りから『首位打者、首位打者!』の声が聞こえてくる時期だと思いますけど、気にしたらダメですからね」。かつてのリーディングヒッターは優しい口調で“助言”を送る。

 吉田の穴を埋めたのは、頓宮だった。頓宮は今季ここまで83試合に出場して、打率.317とパ・リーグ首位を走る。12本塁打、39打点の成績を残し、主軸にドッシリと座っている。

 好調を維持している頓宮だが、あえて吉田は“指摘”する。「ある程度、1年間を通して戦ってみないとわからないこともある。感覚の問題ですけど……。まだ彼は、規定打席に乗ったこともなかったと思う。だから(今季の)ほとんどの成績がキャリアハイになる。首位打者がどうこうよりも、この1年間しっかり戦い抜くということが大事になってくる」。さらっと口にする言葉は重い。

ヘルメットの裏に「Do my best swing」

 一喜一憂しないように心掛けている吉田は、改めて言う。「今は周りも『首位打者』のフレーズばかり言うだろうけど、気にせずにね。自分のスイングを信じて、打席に行ってほしい」。アドバイスはすでに届いており、頓宮はヘルメットの裏に「Do my best swing」のシールを貼っている。

 丁寧な吉田は、さらに頓宮の背中を押す。「打率を気にして、バットが出ないことは避けてほしい。当てにいって凡打は意味がない。最終的な結果が首位打者という形だといい。そこばかりに目がいくと、自分のスイングが狂ってしまうのでね」。見ていないようで、吉田は“後輩”の打撃をじっと見ている。

 昨季まで同じユニホームを着た2人。チームがサヨナラ勝ちすると、ヒーローではなく頓宮に歓喜のウォーターシャワーをかけていた吉田。「イジリがいのある選手ですよね、頓宮は(笑)。まぁね、彼に『首位打者』はないと思うんですけどね、『首位打者』は……! はい(笑)。このまま頑張ってほしいですよね」。その言葉には、LINEのやりとりでは見せない、深い愛情がある。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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