菊池雄星に「うまくはまった」 緩急自在で打者翻弄…投手コーチが明かす“新たな武器”

ブルージェイズ・菊池雄星【写真:ロイター】
ブルージェイズ・菊池雄星【写真:ロイター】

メジャー5年目で初の10勝を目指しガーディアンズ戦に登板する菊池

 ブルージェイズの菊池雄星投手が、8日(日本時間9日)に敵地クリーブランドで行われるガーディアンズ戦で、今シーズン10勝目をかけてマウンドに上がる。メジャー5年目で自身初の2桁勝利到達が間近と、飛躍のシーズンを送っている左腕について、ピート・ウォーカー投手コーチは「メジャーに来てから、今が一番自信を持てているのではないかと思う」と成長に目を細めている。

 菊池は今季、春季キャンプで先発ローテーションの座をつかむと、開幕からここまで22試合に先発し、自己最多の9勝(3敗)を挙げて防御率3.67と安定感のある投球を続けている。ウォーカー投手コーチは菊池の今季の活躍の土台となっている点について、「カーブの習得」を挙げた。

 オープン戦でも投げていたが、本格的に使うようになったのはシーズン途中から。「ある日のブルペンでの投球練習で、うまくはまった。そこから使うようになって、バッターのタイミングをうまく外せるようになった。昨年までは速球とスライダーの2種類が軸だった。スライダーでカウントが取れないと投球が苦しくなった。だが、今シーズンはストレートとスライダー、カーブという3つの軸となる球種があることで、打者が的を絞りにくくなった」。

 昨シーズンまでの菊池であれば、ボールが先行するとマウンドで焦りが出て四球を出す悪循環に陥っていたが、今年はそれがなくなったと言う。「今はボールが先行しても落ち着いてカウントを整えることができている。カーブはカウントを稼げるし、追い込んでから打者を仕留める球としても使えている。緩急を使えるようになって投球の幅が広がった。それにより、気持ちに余裕が生まれて自信につながっている」と語る。

 ブルージェイズは左腕の柳賢振が復帰し、現在6人で先発ローテーションを回している。今後、誰かをブルペンに配置転換するとなった時、昨季中継ぎで投げた経験のある菊池は候補に挙がるのだろうか。同コーチは「この先、色々な事が起こり得るから絶対にないとは言い切れないけど、ここまで先発で素晴らしい投球を続けているだけに、ポストシーズンに進んでも、先発を任せたいと思っている」と、きっぱりと言った。

 新たな球種を習得し、自信をつかんだ菊池に対し、チームの信頼もこれまで以上に高まっているようだ。

(Full-Count編集部)

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