「僕はピチピチです」 攻守に躍動する巨人38歳…助っ人も頼りにする“厚い人望”

DeNA戦の初回、三塁打を放った巨人・長野久義【写真:矢口亨】
DeNA戦の初回、三塁打を放った巨人・長野久義【写真:矢口亨】

沸き起こる歓声…今季最多4万1423人の観客を魅了した長野

■巨人 8ー1 DeNA(13日・東京ドーム)

 14年目・38歳のベテラン、巨人の長野久義外野手が元気いっぱいだ。13日、本拠地・東京ドームで行われたDeNA戦に「1番・左翼」で出場し、いきなり初回先頭で三塁打を放つなど、チームの8-1の大勝に貢献した。広島から無償トレードで古巣の巨人へ5年ぶりに復帰した今季、存在感と躍動感がよみがえっている。

 初回先頭で初球から打って出た。DeNA先発の左腕・石田健大投手に対し、内角高めの143キロ速球を叩くと、打球はライト線際に落ちる。スライディングキャッチを試みた大田泰示外野手が後逸する間に、長野は歩幅が短く、回転の速い独特の走りで、三塁を陥れた。続く吉川尚輝内野手の二ゴロ間に先制のホームイン。この回一挙6得点の猛攻の端緒となった。

 守備でも魅せた。3回、DeNA先頭の大和内野手が左中間へ放った飛球を全力疾走で追いかけ、最後はジャンプしながらグラブに収めた。その瞬間、先発の左腕ヨアンデル・メンデス投手は、左手の人差し指を突き上げて感謝のサインを送り、長野も帽子を取ってこれに応える。今季最多の観客4万1423人が詰めかけたスタンドからは、歓声と拍手が沸き起こった。

 6-0で迎えた3回1死一、二塁での第3打席で三ゴロに倒れ、一塁に残ると、早々と代走に重信慎之介外野手を送られ、苦笑いを浮かべながらベンチに下がった。原辰徳監督は「彼には長く太く、いってもらいたいですからね」と説明。大量リードを奪ったこともあって、好調だからこそ不要の負担をかけないようにとの、戦略と心遣いだった。

ブリンソン「英語が堪能なチョーノを頼りにしている」

 長野は今季、開幕1軍を果たしたものの、打率が2割そこそこを低迷し、5月29日に出場選手登録抹消。しかし約1か月の調整を経て、7月1日に1軍復帰した後は、若返ったような動きを見せ、気温に比例して調子も上昇しているようだ。特に最近4試合はスタメンが続き、13打数5安打1本塁打2打点(打率.385)の猛打。「僕はピチピチですよ」と満面に笑みをたたえている。

 心配りのきめ細かい人柄で、チーム内での人望も厚い。来日1年目のルイス・ブリンソン外野手は、「通訳がいない時や困った時は、英語が堪能なチョーノを頼りにしています」と明かしている。原監督の言葉通り、まだまだ長く太く、野球人生を全うしてほしい選手だ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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