「いつまでやれるかわからない」 万感の国内FA権取得…西武右腕が見据える“今後”

西武・平井克典【写真:荒川祐史】
西武・平井克典【写真:荒川祐史】

平井は今季もチーム最多40試合登板、2019年にはリーグ最多記録81試合

■オリックス 5-1 西武(日本時間22日・ベルーナドーム)

 貴重な中継ぎとして奮闘する西武・平井克典投手が22日、プロ7年目で国内フリーエージェント(FA)権を取得した。31歳の右腕は今季もリリーフでチーム最多の40試合に登板し、3勝3敗20ホールド、防御率2.95をマークしている(22日時点)。

「今は右も左もわからないです。まずはシーズンを最後までしっかり戦うことが僕の目標なので、しっかり終えてから考えたいと思います」。去就についてはそう語るにとどめた平井。2019年のシーズン81試合登板は、NPB歴代2位で、パ・リーグ最多記録。一方、2020年から昨年までの3年間は、救援と先発の両方で起用されるなど、まさにチームのために粉骨砕身してきた投手だ。

 FA権取得には「野球選手として1つの目標でしたし、誰もが取れる権利ではないので、ここまでやって来られたことは1つの自信になりますが、僕だけの力では来られなかったと改めて思います」と感慨深げ。「大きな怪我はなかったですが、小さい怪我はプレーしながら負うこともありました。支えてくれたトレーナーさん、スタッフの方々、家族にありがとうございますと言いたいです」と述懐した。

 今季の西武の投手陣では、平良海馬投手がセットアッパーから先発へ転向したこともあり、平井の存在の重要度は上がっている。最近は8回を平井、9回を3歳上の守護神・増田達至投手が担う勝ちパターンが多い。増田とは試合前の練習後や、試合が終わり帰路に就く際に、2人で肩を並べて歩くシーンをよく見かける。平井は「僕も8回を投げさせてもらっていますが、先輩(増田)はもっと責任の重いところでやっている。(打たれても)若い子には落ち込んでいる姿を見せられないですから、いつも励まし合っています」と笑う。

高校、大学、社会人を経由し遅めのプロ入り「1日1日を大事に」

 ともにプロ生活の大部分をブルペンで過ごしてきただけに、「先輩には僕が入団した頃から常に声をかけてもらっていて、7年間やって来られたのは先輩のお陰でもあります。選手の中では、増田さんという存在が一番大きかった気がします」とも。平井は静岡・飛龍高、愛産大、Honda鈴鹿を経て、2016年ドラフト5位で西武入り。高校、大学、社会人を経由し遅めのプロ入りだった点も、増田と共通している。その増田は2020年のオフに、国内FA権を行使した上で、西武と4年契約を結んで残留しており、今後の進路の相談相手としても頼れる存在となりそうだ。

「この歳まで野球をやれていることは幸せですが、いつまでやれるかわからない仕事です。今年で終わってしまうかもしれないし、またここから5年、10年とやれる可能性もある。1日1日を大事にやっていけたら」と思いを新たにした平井。若い選手の多い西武投手陣を、増田とともに牽引する。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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