阪神に3年連続負け越しの巨人 原監督が語る課題&20歳が照らす光明「見事ですね」

巨人・原辰徳監督【写真:矢口亨】
巨人・原辰徳監督【写真:矢口亨】

対阪神4勝中、3勝の戸郷が5回途中6失点で降板した

■阪神 8ー1 巨人(25日・東京ドーム)

 巨人は25日の阪神戦(東京ドーム)に1-8で敗れ、今季の対戦成績が4勝13敗1分(残り7試合)となり、伝統の一戦と呼ばれるカードで3年連続負け越しが決まった。この日は、阪神戦4勝中、3勝を挙げている戸郷翔征投手が5回途中10安打6失点KOを喫したとあって、とりわけ衝撃が大きい。巻き返しの鍵はどこにあるのだろうか。

 25日現在、巨人が阪神に勝った4試合は全て戸郷が先発。戸郷に白星が付いたのが3試合で、6月30日の対戦では戸郷が8回1失点で降板後、延長10回にサヨナラ勝ちし、3番手の高梨雄平投手が勝ち投手となっている。ただ、その頼みの戸郷も今月10日の対戦で、6回まで無失点に抑えながら、7回に近本光司外野手に勝ち越し2ランを浴び敗戦投手に。この日も悪い流れを断ち切れなかった。

 味方の拙守も、戸郷を追い込んだ感が否めない。1-2とリードされて迎えた4回、先頭の佐藤輝明内野手にライト線に痛打された際、右翼の丸佳浩外野手がクッションボールを捕り損ね、三塁打にしてしまい追加点につながった。5回1死一、二塁でも、佐藤輝に右中間へ二塁打され、2バウンドでフェンスに達したボールを捕った中堅のルイス・ブリンソン外野手は、焦ったためか、内野への送球が大きく弧を描く山なりに。原辰徳監督は「精一杯のプレーはしていると思います」と評したが、2者生還を許し、佐藤輝にも三塁を陥れられた。

 じわじわと点差を広げられる一方、打線は阪神先発の村上頌樹投手に対し、3回に佐藤輝の捕球ミスで得た1点のみ。原監督は「5番、6番、7番が早いイニングの初打席、2打席目に仕掛けられるようにならないとね」と指摘した。2回には5番の坂本勇人内野手、6番の丸、7番の大城卓三捕手が3者連続三振。1点ビハインドの3回2死満塁の好機で迎えた坂本の第2打席も、村上のカットボールに見逃がし三振。続く4回の丸、大城卓の第2打席も三振だった。

岡本和、坂本が徹底マークされる中で気を吐く20歳

 現時点の対戦成績では大きく水をあけられ、3年連続負け越しが決まったが、残り試合で宿敵に意地を見せ、来季につなげるポイントは何か。この日、光明となったのは「3番・一塁」で出場した20歳の秋広優人内野手の存在だった。

 初回の第1打席ではカウント2-2から、内角低めのフォークを巧みに拾い右前打。第2打席の四球を経て、6回先頭の第3打席では、村上の145キロのストレートをとらえ、右中間フェンス直撃の二塁打で出塁した。8回には3番手の岩貞祐太投手から左前打。この日は3打数3安打1四球で出塁率10割だった。

「ねえ? 見事ですね、ええ」。原監督も秋広の話題になった時だけは、硬い表情を少し緩めた。今季の阪神戦では岡本和真内野手が対戦打率.224(67打数15安打)、坂本が同.184(38打数7安打)と徹底マークされる中、秋広は同.314(51打数16安打)、2本塁打と気を吐いている。日の出の勢いの若手を前面に押し出し、巻き返しを図りたい。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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