走者が怖気づく23歳の“最強レーザー” GG賞は濃厚…驚異の阻止力で叩き出す「4.4」

日本ハム・万波中正【写真:小林靖】
日本ハム・万波中正【写真:小林靖】

20本塁打を放っている万波、守備でも高い指標をマーク

 日本ハムの万波中正外野手は、今季20本塁打を放ち、チームの主軸として欠かせない活躍を見せている。守備では幾度もレーザービームで場内を沸かせ、強肩の前に進塁を諦める走者も。凄みはデータでも表れており、守備全般での貢献を示すUZR(Ultimate Zone Rating)では11.3で両リーグトップとなっている。(数値は8月27日終了時点)

 分析にはセイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータを用いた。補殺だけでなく、走者の進塁抑止なども含めた送球による貢献を表した「ARM Rating」では右翼手で両リーグトップの4.4をマークしている。

 昨年も同指標で3.4と高い数値をマークしていたが、今季は出場機会も増えたこともあって数値を増やしている。7月1日の本拠地オリックス戦では、三塁と本塁で2度走者をアウトに。8月17日の本拠地ロッテ戦では、右翼後方から三塁に大遠投しタッチアップを阻止した。強肩のイメージが浸透し、右翼に打球が飛んだ時は生還を諦める走者も多い。

 その他にも、UZRを構成する「RngR」(守備範囲を示す指標)でも同1位の6.5をマークしており、守備面で見ると球界No.1右翼手と言っても過言ではない。

 打者としても今季は確実性が向上し打率は.203から.275に上昇。リーグ本塁打王も狙える位置にいる。強肩強打の23歳が描く成長曲線に、今後も注目したい。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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