4タコも「大学野球で生かせる」 侍U18の慶応・丸田が大学代表投手陣から得た“経験”

「3番・中堅」で先発した侍U-18代表・丸田湊斗【写真:矢口亨】
「3番・中堅」で先発した侍U-18代表・丸田湊斗【写真:矢口亨】

スタメン発表では観客2万5943人からひときわ大きな歓声

 31日に台湾で開幕する「第31回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」に出場する侍ジャパンU-18代表は28日、東京ドームで大学日本代表との壮行試合に臨んだが、0-8で完敗した。第105回全国高校野球選手権記念大会で慶応(神奈川)を優勝に導き、人気が爆発した丸田湊斗外野手は「3番・中堅」で出場。4打数無安打2三振に終わったが、ワールドカップ本番はもちろん、今後の野球人生へ向けて貴重な糧となったようだ。

 丸田は慶応の1番打者として、決勝の仙台育英(宮城)戦で初回先頭打者本塁打を放つなど、大会を通じ5試合で打率.409(22打数9安打)。色白で爽やかな風貌も注目を集め、この日も試合開始直前のスタメン発表では、2万5943人の観客からひときわ大きな歓声を浴びた。

 しかし、打席では思うに任せなかった。それも、今秋のドラフト上位候補を含む大学生投手たちが、1人1イニング以下で入れ替わり立ち代わり投げてきたのだから、無理はなかった。

 まずは初回1死二塁の先制機で迎えた第1打席で、最速153キロ右腕の下村海翔投手(青学大4年)と対戦。118キロのカーブ2球でカウント0-2と追い込まれると、内角の140キロのカットボールにバットが空を切り3球三振。4回先頭で迎えた第2打席の相手は、最速154キロ右腕の上田大河投手(大商大4年)で、カウント1-2から外角低めのフォークを引っ掛け、二ゴロに倒れた。

 第3打席は6回2死で、最速153キロを誇る木村仁投手(九州共立大4年)の146キロ直球に一ゴロ。そして9回1死での最終打席。最速155キロ右腕で、今年6月の全日本大学野球選手権・決勝で明大を完封し胴上げ投手となっている常廣羽也斗投手(青学大4年)に立ち向かった。150キロ超のストレート5球でカウント2-2となった後、6球目の139キロのフォークに手が出ず、見逃し三振を喫した。

「高校生でこれだけ投げる人は、やっぱりいない」

「若干バッティングを変えたところがあって、その変えたところがあまりよくなかった」と丸田。「(フライを)上げないように、低い打球を打つために、手首の返しを少し強くイメージしたら、引っ張り方向へのゴロが多くなってしまいました」と、2つのゴロアウトを反省した。

 とは言え、プロ一歩手前のレベルの球を真剣勝負で見られただけでも、貴重な経験だ。丸田は「いや、もう、ありがたい経験をさせてもらいました。高校生でこれだけ投げる人は、やっぱりいないので」とうなずき、「やったことのない(レベルの)投手とやれたことは、U-18の大会だけでなく、自分のこれからの大学野球……まあ、やると思うんですけれど、そこで生かせる気がしました」と来年の進路に言及した。

 高校と同じデザインの慶大のユニホームに身を包み、神宮で東京六大学の舞台に立つことになるのだろうか。その前に、台湾での国際大会で腕試しだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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