「笑顔に癒やされる」巨人女神の新メンバー　異色経歴の“敬礼チア”が欠かさない努力

元消防士の新井さんは訓練を生かしたパワフルなパフォーマンスで魅せる

　巨人の公式マスコットガールとして、東京ドームやジャイアンツ球場を盛り上げる「VENUS（ヴィーナス）」。今年から新しく勝利の女神に加わった新井みゆきさんは、消防士から球団マスコットガールへ転身した異色の経歴の持ち主。自己紹介を目にしたファンからは、「消防士からNPBチア、振り幅ありすぎて衝撃的だった。笑　そんで可愛いし」などの声も。大きな決断のきっかけや、前職の経験が生きた場面などを聞いた。

　元々高校時代からチアダンスをしていた新井さんは、SNSを通して、“女神”たちが大きな舞台で一体感を生み出す姿に魅了された。進路を決める際、球団チアへの挑戦を一度は考えたものの、もう一方の進路として考えていた消防士の道を選んだという。しかし、全力で働く一方で、一度胸に抱いた“夢”を諦め切れず、「踊りたいな、誰かと一緒に誰かを全力で応援したいな」という思いが溢れ出した。

　家族や友人に相談すると、“安定”や“現実味”という観点から反対意見が多く、一度はオーディション受験を断念。しかし、それから1年間、今まで感じたことのないような大きな“後悔”があり、「この思いはホンモノだ」と自分に衝撃を受けたという。そこから全力でヴィーナスを目指すことを決断し、今年見事に合格を果たした。

　小柄な新井さんだが、消防士としての訓練や現場で培ったパワーを活かしたパフォーマンスは、体格以上に大きく見えて、迫力がある。ダンス経験はまだ少ないが、球場で最高の姿を見せられるように陰の努力を忘れない。「『努力は必ず報われる』という言葉があります。もちろん、報われないこともあるかもしれませんが、努力するに越したことはないと思っています」と力強く話してくれた。消防士時代に培ったメンタル面と向上心は、ヴィーナスでも生きている。

「結果が全て。たくさんの訓練を重ねる過程も大事ですが、現場でできるかどうかでした」と消防士時代を振り返った新井さん。そうした経験がヴィーナスとして発揮された場面はあるかと尋ねると、「大舞台で見せる仕事。陰の努力が大切。そこ（パフォーマンス）に向けて全力でやっています!!　一緒ではないですが、似ている部分かもしれないです」と話してくれた。

　加入後、SNSで披露した元消防士のプロフィールや敬礼ポーズには、大きな反響があった。「元消防士!!　スゴすぎ!!　応援しますッ!!」「安定した消防士を捨てて憧れのヴィーナスへ、なんとうれしいことか」と心を鷲掴みにされたファンからのコメントも。一方で「笑顔に癒やされる（笑）」「可愛い!!　応援してます!!」と輝く笑顔に魅了される言葉もあった。

　はじめは、「経歴だけで選ばれたんじゃないか」と不安もあったと明かす。しかし、そう思われないように“陰の努力”を重ねてきた。「（経歴で）覚えてもらえるのはうれしいこと。『あ、消防士だ』といわれたら敬礼していますが（笑）、それだけだと思われないように全力を尽くしています」。紆余曲折あったが夢を叶え、新井さんは今日も力強いパフォーマンスと弾ける笑顔で球場を盛り上げる。