今年も「最少」で決着か…20勝投手は“絶滅危惧種” 2桁白星も希少になった現代野球

巨人・戸郷翔征、DeNAのトレバー・バウアー、東克樹、広島・床田寛樹(左から)【写真:矢口亨、荒川祐史】
巨人・戸郷翔征、DeNAのトレバー・バウアー、東克樹、広島・床田寛樹(左から)【写真:矢口亨、荒川祐史】

セの最多勝争いはDeNA東が11勝でトップ…年間13勝ペース

 今年のプロ野球も、各球団残り30試合前後。優勝争いだけではなく個人タイトル争いも佳境を迎えている。投手の勲章といえば最多勝だが、分業が進んだ今、先発の白星は伸びにくい状況になっている。セ・リーグでは、DeNA東克樹投手の11勝(2敗)が最高だ。(記録は30日現在)

 セの最多勝争いが混とんとしている。東の11勝を筆頭に広島・床田寛樹、巨人・戸郷翔征、DeNAのトレバー・バウアーの3投手が10勝、阪神・大竹耕太郎、巨人・山崎伊織が9勝で続く展開になっている。

 近年は15勝以下で決着することが多い。120試合制だった2020年は巨人・菅野智之が14勝で受賞。143試合制に戻った2021年は阪神・青柳晃洋と広島・九里亜蓮が13勝、昨年も青柳が13勝でタイトルを手にした。現在のペースで行くと、東は年間13勝でフィニッシュする計算になる。

「13勝」は2014年の阪神・メッセンジャーと中日・山井大介に並びセ・リーグでは最も白星が少ない最多勝。パ・リーグは2020年にソフトバンク・千賀滉大(メッツ)、石川柊太、楽天・涌井秀章(中日)の3人同時受賞となった「11勝」が最少だが、オリックス・山本由伸が2021年に18勝、昨年は15勝、今年はここまで12勝と数字を残している。

 日本のプロ野球で、先発投手は“中6日”がほぼ確立された。分業化が進み、先発が白星の権利を得ても降板した後に消えてしまうケースも少なくない。しかも投手が打席に立つセ・リーグは終盤に代打を出される場合もある。先発投手の白星が伸びにくい状況にある。

 20勝以上は、2013年に楽天・田中将大がマークした24勝が最後。セでは2003年の阪神・井川慶の20勝が最後になる。2018年から昨年まで、セで2桁勝利をあげているのは毎年7人。今年は何勝で最多勝が決着し、2桁勝利投手は何人誕生するだろうか。

(Full-Count編集部)

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